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アンデルソン・ロペスの細谷真大への肘打ち、なぜレッドカードではなかったのか│柏1-0横浜FM

横浜FMのアンデルソン・ロペス。(C)2024 Asian Football Confederation (AFC)

主審はしっかり目視していたが、VARがOFRを推奨できる体制も求められるか。

[J1 33節]柏 1-0 横浜FM/2024年10月5日16:03/三協フロンテア柏スタジアム

 J1リーグ33節、柏レイソルがマテウス・サヴィオのゴールで横浜F・マリノスに1-0の勝利を収め、J1残留に向けて大きな勝点3を獲得した。一方、ミッドウィークのAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)エリートで蔚山現代に4-0の勝利を収めた横浜FMだが、J1リーグでは4連敗を喫した。

 この試合の決勝点となった開始9分、マテウス・サヴィオの得点シーン。その一連のプレーのなかで、柏のFW細谷真大に対する、横浜FMのFWアンデルソン・ロペスの肘打ちが問題視されている。

 アンデルソン・ロペスがコントロールを誤ってボールをロストすると、それを奪った細谷がカウンターに持ち込む。ボールを奪い返しに来たロペスを細谷がしっかり体を張ってブロックし競り勝ち、そのまま持ち込み、サヴィオにパスをつないだ。

 だが、再び細谷に向かって行ったアンデルソン・ロペスはパスを出した直後の細谷の顔付近に肘を突き出す。この報復の肘打ちを顔面に受けた細谷は転倒。しばらく立ち上がれなかった。

 直後にマテウス・サヴィオがゴールを奪ってみせた。一方、飯田淳平主審はアンデルソン・ロペスのこの行為も視界に捉えていて、ゴール後、横浜FMの10番にイエローカードを提示した。

 VARが介入する条件の一つが「レッドカードの可能性」についてである。なぜ、ここでは発動されなかったのか? 

 飯田主審のポジショニングやチェックなどはむしろ推奨され、ロペスと細谷のコンタクトも視界に捉えていて、そのうえでイエローカードを出す判断を下した。

 もしも、二人のコンタクトを飯田主審が確認できずにいたら、VARは主審にビデオチェックを促すOFRを推奨していた可能性がある。

 とはいえ主審がその肘打ちをチェックしていたものの、直後、マテウス・サヴィオのシュートに向かう攻防に意識を移している。ゴールシーンの様々なチェックのほうが優先される局面である。

 アンデルソン・ロペスのファウルに悪質性はなかったのか。そういったところをあのわずかな一瞬で、主審がチェックするのはほぼ不可能だったはずだ。

 こういったケースでは、VARオペレーションルームが、主審がコンタクトの有無もチェックし「イエローカード」と判断したとしても、その悪質性の可能性も伝えて、OFRを推奨するなど、そういった体制も求められるのではないだろうか。むしろ、それもまたVARに求められるサポートの一つだろう。

 主審がそのうえでイエローカードと判断したならば、より納得がいくはずだ。

 アフターチャージなど、ボールとは関係のない、見えないところでの行為はあとをたたない。審判団だけの対応、判定で”防止”するには限界がある。

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 しかも昨年の得点王による日本のエース候補への肘打ちという、本来Jリーグを代表すべき選手による残念な事象であった。むしろ審判の判定ではなく、そこは選手、チームの責任や問題と言える。最終的にはファン・サポーターや観客離れにもつながりかねないだろう。心を揺さぶるようなパフォーマンスで魅了してほしい!

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