【鹿島】一転OBで固める人事に小泉文明社長「勝利を追求する伝統を守りながら、チームを成長、発展させていく」
鹿島の小泉文明社長。写真:竹田桃子/(C)Momoko TAKEDA
「中長期的な視点に立った強化戦略が求められていることも理解しており――」
J1リーグの鹿島アントラーズは10月9日、ランコ・ポポヴィッチ前監督の解任に伴い、中後雅喜コーチが新たに監督に就任したと発表した。本山雅志アカデミースカウト、クラブOBの羽田憲司氏がトップチームのコーチに就く。また、吉岡宗重前フットボールダイレクター(FD)の退任に伴い、プログループマネージャーの中田浩二氏が新たにFDに就任する。
ブラジル路線が世界的な最新の潮流の軌道から外れるなか、鹿島もヨーロッパの血を入れて、新たな時代を築いていこうと試みてきた。近年ではレネ・ヴァイラー、ポポヴィッチと欧州出身監督を外部から招へいしてきたが、「無冠」という結果を重く受け止め、一転して、OBで全ての陣容を固めるという決断が下された。
小泉文明社長はクラブを通じてコメントを発表。「10月6日にリリースした通り、シーズン途中にはなりますが、吉岡宗重フットボールダイレクターの退任、ポポヴィッチ監督とミランコーチの解任を発表しました。これまでの鹿島アントラーズに対する貢献と献身的な仕事に対して、感謝申し上げます」と感謝したうえで、次のように体制変更について説明している。
「同時にクラブのトップとしてこの結果を重く受け止めています。クラブは本日から、中後雅喜監督、本山雅志コーチ、羽田憲司コーチ、強化責任者に中田浩二フットボールダイレクター(FD)という体制で、 新たなスタートを切ります。まずは、今シーズンのリーグ戦残り6試合をクラブ一丸となって戦い、勝利のため、選手の力を最大限発揮させることに集中していきます」
そして小泉社長はフロントのトップとして、強化責任者となった中田氏を「しっかりとサポートする」と強調している。
「中長期的な視点に立った強化戦略が求められていることも理解しており、強化部門の先頭に立つ中田FDをしっかりとサポートするとともに、勝利を追求するという伝統を守りながら、チームを成長、発展させていく必要があります。クラブがこれまで大切にしてきた 結束力を選手、スタッフ、フロントが協力して示し、これからもファン、サポーターの皆様さまとともに戦ってまいります」
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鹿島は10月19日、ホームでのアビスパ福岡戦から中後体制で臨む。中後監督は「リーグ優勝をあきらめない」と決意を示している。一方、現実的にはまず4位をキープし、3位入りとAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2の出場権獲得を目指すことになる(4位でもACL2の出場権を獲得できる可能性あり)。