新チーム名「『大宮アルディージャ』は残します」、2030年のJ1でのタイトル獲得を目標、マリオ・ゴメス氏「あくまでも目安」
大宮の原博実フットボール本部長(左)、マリオ・ゴメスTD(右)。(C)SAKANOWA
「サッカーは思い通りに行きません」と、自身のキャリアを踏まえて。
J3リーグの大宮アルディージャは10月12日、レッドブル社への株式譲渡に伴い1日付けで「RB大宮株式会社」が発足したことに伴い、レッドブルサッカーのテクニカルダイレクター(Red Bull Soccer Technical Director)であるマリオ・ゴメス氏らによるメディアギャザリングを行った。
多くの日本のメディアが集まるなか、佐野秀彦社長、 代表取締役兼フットボール本部長の原博実氏、 ゴメスTD、そしてサッカー部門のグローバル・ヘッド・オブ・マーケティング&ビジネス・デベロップメントのフィリップ・ヴンダーリッヒ氏が参加し、今後のビジョンなどを説明した。
注目される新たなロゴ、新チームの発表について、フィリップ氏からは「まだ早いです。明日重要な試合が控えていますし(※福島ユナイテッドFC戦、勝てばJ2昇格、優勝が決まる可能性)、その件は落ち着いた時に話したいです」として、次のように続けた。
「ファンの方々としっかり議論してきました。皆さんにしっかりお示ししたい気持ちはありますが、今はまだ時期尚早だと考えています。なぜなら、まず明日、非常に重要な試合が控えています。まずそこにフォーカスしています。改めて説明させてもらいたいと思っています。
ロゴなどはたくさんの議論をしてきました。まず大宮アルディージャとして築き上げてきた歴史をリスペクトし、大事にする一方で、グローバルのグループのなかに大宮アルディージャがあるということを含め、胸を見ても分かる、感情的にも分かるものにしたいと考えています」
「ファンの方々とも話し合いをしましたが、ローカルコミュニティは一番重要であり、行政、支えるスタッフともコミュニケーションを取り、同じ目標を持ち一丸となることが重要で、そういったものを大切にして取り組んでいきます」
そしてチーム名について改めて問われると、「たくさん協議してきました。大宮アルディージャという名前は残したい」という説明もあった。
「名前について、たくさん協議してきました。大宮アルディージャの『アルディージャ』にはファンの皆さん、ローカルコミュニティの想い、いろんな方々が携わり、このチームが築かれてきました。その歴史をリスペクトして『大宮アルディージャ』という名前は残したいと考えています。また私たちの『RB』は、グローバルのところで考えて(まず社名に)付けさせていただきました」
ではチーム名はRB大宮アルディージャになるのか、という問いには改めて、今後の正式な発表まで待ってほしいという説明があった。
またビジョンでは「2030年のタイトル獲得を目標に掲げる」という展望が示された。しかしゴメス氏は「あくまでも目安。あまり捉われすぎない」と、自身のキャリアを例に語った。
「サッカーの世界は思い通りにいかないことばかりです。私もバルセロナに行きたいと思っていましたが、フィオレンティーナでプレーした経緯があります。もちろん、選手、スタッフ、全ての人たちはそこに到達したいという高い志、意欲を持っています。ただ、全てが上手くいくわけではないとしても、しっかりと地に足を付けて、継続して分析し、改善し発展させていきたいです。トップチームのみならず育成面を含め、その達成が2029年、あるいは2031年になるかもしれません。一つの目安としてやっていくことを考えています」
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RBグループとしては「タレントのパイプラインを育成し、ファンの熱狂を生み出し、地域の経済成長と繁栄を促進するエネルギッシュなサッカークラブへ」というビジョンを掲げる。フィリップ氏は「早く成し遂げると言うこと以上にしっかり土台を築いてステップ・バイ・ステップでしっかり歩んでいきたい」として、2030年のJ1リーグ優勝などタイトル獲得、AFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場などを一つのマイルストーンに示している。