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外国籍2選手がセクハラ・パワハラ告発、島根県のなでしこ2部ディオッサ出雲「内容精査と事態解決へ調査中」

(C)SAKANOWA

通訳不在が原因か。弁護士「サッカー界は村社会。パワハラが温存され、昭和的な指導がはびこっている」

 なでしこリーグ2部ディオッサ出雲は11月16日、ブラジル人のラウラ(10番)、フェヘ(9番)両選手がセクハラ・パワハラを受けたと告発した問題を受けて、公式サイトで「内容精査と事態解決へ向けて調査中」と報告した。

『FNN』が報じた記者会見によると、2選手は監督から練習中に男性器を意味する言葉を発せられるなどセクハラを受けたという。また言葉が分からないことを理由に、暴言を発せられるなどパワハラ被害も受けたそうだ。他にも複数のピッチ外でのセクハラ・パワハラがあり、「うつ状態」と医師からも診断されて、8月からプレーできずにいるという。

 一方、クラブ理事長は仲も良かっただけになぜ……と驚いている。またそのポルトガル語の言葉も、ミスをした際に発せられるスラングだったと釈明している。

 2022年に加入した二人の契約には常駐の通訳が付くとなっていたそうだ。しかし週に1回ほどしか来ないため、今年、二人はその改善を求めたものの受け入れてもらえず。監督からは、であれば試合に使えないと言われたそうだ。

 担当弁護士はそのなかで「サッカー界は独特な村社会的な雰囲気が残っている。パワハラが温存され、昭和的な指導がはびこっている」と指摘している。

 今回クラブは「ディオッサ出雲FCを愛する全ての皆さまへ」と題して、日本語とポルトガル語で、次のように見解を発表している。

「クラブの活動が始動した時より、ディオッサ出雲FCに対しまして温かいご声援とご激励をいただいた大勢のサポーターの皆さま、そして最大限のバックアップをいただきました各種スポンサーの皆さま、また、練習環境をご理解いただき選手雇用をしていただきました雇用パートナーの皆さま、各種イベントにお声がけをいただいた地域や団体の皆さま、支援体制の構築をいただいたディオッサ12の皆さま、全ての皆さまへ

『女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する』とのなでしこリーグの理念のもと地域とともに、アカデミーの普及活動、そして多様性を大切にしながらクラブは進んでまいりました。 この度の一件にて、それぞれの皆さま方に、ご心配とご迷惑をおかけしましたこと、クラブスタッフ一同心より深くお詫び申しあげます。

 記者会見後、メディア等にて様々な報道がなされている中ではありますが、現在継続的に内容精査と事態解決へ向けての調査中であります。そのような中で、週末に行われます『皇后杯全日本女子サッカー選手権大会』に向けて選手一同練習にひたすら汗を流し、応援していただいているサポーターの皆さまのため、勝利を目指して頑張っておりますので、引き続きのご声援とご理解をいただきますようお願い申しあげます」

 明らかに二人がコミュニケーションの面で大きな問題を抱えていたことが分かる。チーム専属の通訳がいれば、この問題はチーム内でまず話し合えた可能性が高い。また、スタッフを雇えない前提であれば、選手の日本語習得も、クラブとして重視すべきだったかもしれない。

 一方、実質的には3部のアマチュアクラブである。北欧1部リーグのクラブであっても、スタッフはパートタイム、一部はボランティアがサポートして、地域のクラブとして支え合い運営が成立しているケースも多い。

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 頂点であるWEリーグは、クラブ名に「企業名」を入れることが認められ(ネーミングライツ)、女子リーグは、スポンサー企業のクラブなのか、地域のクラブなのか、やや曖昧な位置づけになりつつある。そのあたりの弊害が、下位カテゴリーのなでしこリーグにも出てきている。