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【鹿島】鬼木監督がクラブハウスで驚いた“原点回帰”「躍動するからこそ勝てる。そういう雰囲気にしていきたい」

鬼木監督と新戦力&レンタルバックした選手たち。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

「鹿島のファン・サポーターが望んでいるタイトルを獲れることを一緒に喜べる想像をした時、プレッシャーよりもそのほうが大きかった」

 J1リーグ鹿島アントラーズは1月12日、2025シーズンの新体制発表会を高正U&Iセンターホール(鹿嶋勤労文化会館)で行ない、SOCIO会員を招いたなか、新戦力の選手たち、そして鬼木達新監督が抱負を語った。

 1993年から99年まで最初の現役プロキャリアを鹿島でスタートさせている鬼木監督は、「鹿島独特の厳しさは感じています。その中でお互いをリスペクトしながらやっている良い雰囲気を感じています」と気を引き締める。

 そして「勝つことからの逆算」を掲げるなか、鬼木監督は鹿島ではやや“禁句”とも言えてきた「選手たちが楽しむ」ことの大切さを強調した。それがなければ『躍動』は生まれないと理由を語った。

「選手たちには楽しんでサッカーをしてほしいですし、楽しむからこそ勝ちにつながると思います。個々がチームを支え、ミスを恐れずどんどん思い切りの良さを出していってほしいです。躍動するからこそ勝てる。そういう雰囲気にしていきたいです」

 また、現役当時からクラブハウスの建物は変わらないものの、施設内は一部リニューアルされている。特にロッカールームは大幅に改修された。

 そしてかつてサテライトの選手は一つの部屋にまとまって着替えなども行っていた。鬼木監督も1年目はそこで鍛錬している。

 すると、そのスペースが現在は鬼木監督が利用する部屋になっているという。

「1年目のサテライトに戻った気分です。それこそいろんな良い思い出を持ちながらやれています。本当に原点に返ったような気持ちです(笑)

 そして川崎フロンターレで常勝チームを築いた実績を踏まえて“古巣”に戻ってきた鬼木監督は、全員で勝つことの大切さを口にする。

「勝つことからの逆算。どういう戦い方をしても、どのシステムでも、ストロングとウィークの両方が出てきます。(全員守備、全員攻撃を掲げるが)全てがつながって全員で戦っていくということ。それをやれる強さが大事になると思います」

 具体的な目標、キャプテンの指名は今後の活動の中で決めていく。ただ、指揮官は「際の部分。そこで、勝てるゲームを引き分けたり、引き分けられた試合を負けたりしています。ちょっとしたところでこだわりを持てるか」と、“際の大切さ”をポイントに挙げていた。

 鹿島を率いること。そのプレッシャーを感じる以上に、選手・サポーターとともに勝利やタイトルの歓喜を共有する、そのイメージをした時の興奮や喜びのほうが大きく上回ったという。

 鬼木監督がワクワクしている気持ちが伝わってくる。

「仕事をする以上、プレッシャーは誰にでもあると思います。こうして鹿島で監督をすると決める時、プレッシャーよりも、今このクラブのファン・サポーターが望んでいるタイトルを獲れることを一緒に喜べる。そのことを想像した時、それが大きかったです。

 決して自分一人で何かできるとは思っていません。川崎では自分一人でタイトルを獲れたと思っていません。選手、コーチ、スタッフ、ファン・サポーター、みんなを頼りに戦っていきたいです。

 だからプレッシャーはないようであると言いますか、あるようでないと言えます。(監督として2チーム目で評価が問われそうだが?)キャリアのためにやっていると思っていません。選手、サポーターと喜び合いたいと思っているだけで、成功したら、失敗したら、という考えはありません。そのためにも最善の準備はしていきたいと思っています」

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 鹿島はこのあと宮崎キャンプに入る。そして2月1日にアウェーで水戸ホーリーホックとの恒例のプレシーズンマッチに臨み、15日の湘南ベルマーレとのアウェーゲームで開幕を迎える。続く2月22日の2節・東京ヴェルディ戦にて、カシマスタジアムでのホーム初陣を戦う。

Posted by 塚越始