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久保建英への人種差別発言、バレンシアが声明発表。謝罪の文言なし「個人によるもの」「特定した場合、追放につながる厳しい処分」

バレンシア戦を終えたあとのレアル・ソシエダMF久保建英。(Photo by David Ramos/Getty Images)

クラブの「一般的な考え」でははないとして、行為を行った一部ファンを強く非難。

[スペイン1部 20節]バレンシア 1-0 R・ソシエダ/2025年1月20日/エスタディオ・デ・メスタージャ

 バレンシアのゴール裏の一部サポーターから、ウォームアップをしていたレアル・ソシエダの久保建英やアンデル・バレネチェアに人種差別・侮辱発言があった問題で、バレンシアは1月20日、「レアル・ソシエダの選手に対する侮辱」と題した公式声明を発表した。

 バレンシアはクラブのファミリーの起こした問題であるものの、あくまでも「個人の問題」として、クラブの一般的な意見ではないと強調。行為を行った人物を特定できた場合は「追放につながる厳しい処分を下す」と、やや曖昧な表現ではあるがスタンスを表明している。

 バレンシアの声明は次の通り、

「バレンシアCFは日曜日にカンプ・デ・メスタージャで行われた試合で、ライン際でウォーミングアップをしていたレアル・ソシエダの選手が受けた侮辱行為について、公式に否定の意を表明し、断固として非難します。

 このような事態は個別のものであり、決して一般化されたものではないものの、その振る舞いは容認できず、サッカースタジアムにも、社会にも相応しくありません。

 少数による侮辱はバレンシアニスモの価値観を代表するものではなく、大多数のファンの模範的な行動や意欲を覆い隠すものでもありません。

 クラブはいかなる憎悪の表現も非難し、当局が必要とするものには全て対応します。これらの行為が確認された場合、クラブは相応の措置を取り、カンプ・デ・メスタージャからの追放につながる厳しい懲戒処分を適用します」

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 日本との文化の違いとも言えるのだろうか、クラブによる謝罪の文言が一切ない。ある意味“部外者”による行為だと主張している。ただ、こうしたクラブにとっての”身内(熱烈なファン・サポーター)”から起きた問題に、他人のような振る舞いでその場凌ぎのように収束を図ろうとする対応もまた、スペインのスタジアムで一向に人種差別行為が後を絶たない一因なのだろうか。