フジテレビ、中居正広さんを告発すれば「処罰の可能性あり」。若狭勝氏が弁護する立場の一方で主張
フジテレビ (C)SAKANOWA
ユーチューブで詳しく解説、告発した場合「根拠が薄弱だと言われることはない」。
元タレントの中居正広さん(芸能界からの引退を発表)の女性トラブルを発端にコンプライアンスに関する様々な問題に発展した件で、株式会社フジ・メディア・ホールディングスはこのほど第三者委員会の報告書を公開した。そこで中居さんによる女性Aさんへの「性暴力による人権侵害」を認定すると記された。
女性が受けた被害は深刻であり、かなり踏み込んだ内容になっている。とはいえ中居さんとAさんが守秘義務を交わしていたため、弁護士を通じて中居さん側は一切の発言と弁明をしていない。つまり、中居さんの言い分がないまま、ある意味、一方的に「性暴力」を認定する形になっている。
弁護士の若狭勝氏は4月4日、ユーチューブチャンネル「若狭勝のニュース善悪のジャッジ」で、「【中居氏】フジテレビが刑事告発すれば処罰の可能性あり!」と題した動画を公開。そこで被害者の「人権」を守るのであれば、フジテレビは中居さんを告発すべきではないかと主張した。
若狭氏は今回の第三者委員会の発表がやや一方的すぎると疑問視する。むしろ、ここまで断定しているのであれば、「人権」をこれから尊重すると発表したフジテレビが刑事告発をすべきだというのだ。
若狭氏は基本的なスタンスとして、中居さんの責任を断定するのは「少し行き過ぎ」だと疑問視する。
「(二人が会っていた)当日については、中居さんからの弁解や話を聞かないまま、性暴力、人権侵害を積極的、明確に認定してしまっていいのかどうか。少し行き過ぎではないかという感はあります。性的トラブルは被害者、加害者から話を聞いて事実認定するのが鉄則です」
例えば、性暴力の疑いがある、という段階にとどめるべきだったのではないかと指摘しているのだ。
この事案が起きた時は「強制性交等罪」(現在は不同意性交等罪)が適用されるという。時効は15年だ。
そこで若狭氏は、より人権を尊重していくというフジテレビが刑事告発して、この人権問題について明らかにすべきではないかと主張する。
「(フジテレビが告発すれば、第三者委員会からの報告書があるため)根拠が薄弱だと言われることはないと思われます。刑事手続きに乗りますと、守秘義務が問題になることはありません。当日の被害状況を、被害者もそのまま(義務に拘束されず)話すことができます。裁判になった場合、和解書や示談書に守秘義務があっても、証言しないでいいという事由にはあたりません」
結果的に曖昧なままになっている”ブラックボックス”の「当日=6月2日」が少なからず明らかになるはずだという。
若狭氏は何より事件や被害の度合いなどではなく、示談金を支払えるかどうかが、こうした男女間のトラブルで重視されつつある傾向を問題視する。「もしもそういった事実があるならば、うやむやにせず、平等に処罰されるべきだと思います」とも強調していた。
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もちろん逆に、あまりに一方的に責められている中居さん側が、何かを伝える機会になり得るとも言える。