×

中居正広さんの代理人が陥ったフジテレビとの“危険な関係”「弁護士の一つの教訓に」。北村弁護士が詳しく解説

フジテレビ (C)SAKANOWA

ユーチューブ『弁護士北村晴男ちゃんねる』で、第三者委員会報告書の重要トピックスを分かりやすく紐解く。

 元タレントの中居正広さん(芸能界からの引退を発表)の女性トラブルを発端につまびらかになったフジテレビの様々なコンプライアンス問題だが、株式会社フジ・メディア・ホールディングスからの依頼を受けて3月31日に発表された第三者委員会の報告書は、今なお反響を呼んでいる。

 北村晴男弁護士はこのほど、ユーチューブチャンネル『弁護士北村晴男ちゃんねる』で「【フジ調査報告書】社外取締役・犬塚弁護士について。そして橋下徹氏の見解に物申す!」と題した動画を公開。弁護士の視点から報告書の重要なトピックスを、分かりやすく解説している。

 そのなかで、中居さんの代理人弁護士についても言及している。この人物はフジテレビの番組にも出演。一方、同局のバラエティ番組などのスタッフから「法律問題でこれは大丈夫かな? と思った時、すぐ連絡して解答をもらう。そういう関係にあったそうです」という。フジテレビから顧問料は発生していないが、2005年4月から「相談料」が月額で支払われていた。

 そして今回、被害にあったA子さんとの問題が起きた件で、中居さんの代理人になったそうだ。ただし、この人物が中居さんの代理人になるのは「利益相反になるのではないか」との指摘が、報告書で行われているそうだ。もしも、そのような関係性であれば、弁護士の懲戒の対象にもなり得るという。

 北村弁護士も「トラブルの可能性があり、私ならお断りしたと思います」ということだ。

 ただ、A子さんサイドから中居さんの代理人になる同意も得ていたそうで、状況的には「弁護士倫理」に反する利益相反受任にはらないとされるとも説明する。

 また、その依頼を受けた弁護士の気持ちも慮る。もしも断った場合、テレビ局との関係が悪化し、「仕事を失う可能性がある」という難しい関係性にあったと見る。

 実際、北村弁護士も、過去に争う両者から依頼を受けて、利益相反になり得るため、いずれも受けられないと事情を説明。すると一方から顧問弁護士の契約を解除された経験がある。北村氏は「これは仕方ないです」と受け止める。

 結果的に今回、中居さんは芸能界を引退するまでに至った。両者とつながりのある弁護士は、フジテレビ、中居さん、いずれも守れず、むしろ事態を深刻化させる状況に陥らせてしまったと言えた。

 北村弁護士は「危険信号がともった時には依頼を受けない、というのは弁護士の一つの教訓になろうかと思います」と受け止めていた。

関連記事>>中居正広問題、性的暴行で懲役4年の某俳優と比較すると…若狭弁護士「常軌を逸脱する状況では」と指摘

 第三者委員会からも、そのあたりの疑問を呈されている。「それだけでも弁護士はマイナスです」と、北村氏は興味深い弁護士業界に関するテーマにも切り込んでいる。