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中居正広さんと被害女性の関係、『業務の延長戦上』は拡大解釈では? 「明らかにおかしな認定」と弁護士が第三者委の“情報操作”を指摘

フジテレビ (C)SAKANOWA

「中居⽒と彼⼥は家族やプ ライベートの出来事に関して様々なやりとりもあり、メールで『勇気づけられた』等のお礼をもらうような関係でもありました」

 元タレント中居正広さんの代理⼈弁護団が5月30日、フジ・メディア・ホールディングスの依頼で報告書を発表した第三者委員会に対し、「再度の資料開⽰・釈明など要求のご連絡」を送付し、その内容を公開した。一般的に想起される「性暴力」はなかったとして、その証拠の明示を改めて求め、中居さんの著しく毀損された名誉と人権の回復に取り組むことを求めている。

 中居さんサイドの最初の反論に対し、第三者委は22日までに報告書の内容は正当だったと回答。これに対し中居さんの代理人は23日と28日、中居さんの性暴力を認定した根拠となる音声データなどは個人には明示できるはずだとして、加えて報告書内の疑問点について指摘。6月6日までの回答を要求している。

 今回は報告書のいくつかの事実認定の矛盾、曖昧にも関わらず“事実認定”している根拠の説明などを求めている。

 その一つとして、被害女性が中居さんと会っていたことが、「業務の延⻑線上」と拡⼤解釈しているのではないかと問題視している。

 報告書では「プライベートにおける関係はなかった」 「両者の間には圧倒的な権⼒格差が存在していた」「中居⽒と⼥性Aとの業務上の⼈間関係が継続していたといえる」「⼥性 A が当該⾷事は業務の延⻑線上であるとの認識を持つことは⾃然である」「タレントとの会⾷が、フジテレビでは、広く業務として認められる実態が存在する」として、中居さんの誘いに被害女性は断ることなどできなかったとされる。

 この点について、「業務の範囲内及び範囲外という概念の他に、『業務の延⻑線上』という概念は、どのように定義されるのでしょうか」と指摘しているのだ。

「中居⽒と相⼿⽅⼥性との間に、『業務の延⻑線上』という関係があったのかどうか、その判断基準が本調査報告書では、全く明らかではありません。中居⽒は、フジテレビの職員ではなく、相⼿⽅⼥性の上司でもありません。仮に、相⼿⽅⼥性と中居⽒との間に『業務の延⻑線上』という関係が成⽴するならば、⼥性に⽣じた疾病は、労災として、治療費の負担や休業補償がされるべきですが、⼥性はそのような労災としての扱いは、されているのでしょうか。

 また貴委員会の『業務の延⻑線上』という概念を適⽤するならば、フジテレビの全社員が中居⽒と『業務の延⻑線上』の関係があるということにもなりかねません」

 つまり、であれば中居さんはTV局など仕事の関係者と一切の交際なども認められない……誰かに接触を試みたら、今回のように一方的に責められても仕方ない、となってしまう。そのように、問題点を掘り下げることもできる。

 中居さんの代理人は「これは明らかにおかしな認定」と問題視し、「貴委員会の『業務の延⻑線上』という概念は、その意義も外縁も不明確であり、『業務』概念の不当な拡⼤解釈です」と訝っている。

「2023年6⽉2⽇当時、中居⽒と相⼿⽅⼥性の間には、雇⽤・指揮監督関係や、上下の業務的権限関係は存在しませんでした。また両者には複数回の会⾷の機会があり、中居⽒と彼⼥は家族やプ ライベートの出来事に関して様々なやりとりもあり、メールで『勇気づけられた』等のお礼をもらうような関係でもありました」

 公開されていないメールや二人のやりとり、当時の関係性からすると、会社の外だからこそ、プライベートの交流があったと“一般的”に解釈することもできるのではないか。そこで男女のトラブルが起きたのであれば、それこそプライベートではないか。

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 今回の報告書で、第三者委の決して中立とは言えない情報の取捨選択によって中居さんを一方的に“悪者”にしている点について、そのように問題視している。