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【2018│新天地に懸ける】ジェフ千葉に移籍した小島秀仁が挙げた愛媛FCで影響を受けた3人。「特にその背中がいろんなことを教えてくれた」のは…

小島秀仁(14番)が千葉で挑む!隣は高木利弥(27番)、杉山弾斗(32番)。(C)SAKANOWA

玉林睦実の背中に、いつか追い付きたい。

 小島秀仁が愛媛FCからジェフユナイテッド市原・千葉に完全移籍で加入した。柴崎岳、宇佐美貴史ら2009年のU-17ワールドカップ・ナイジェリア大会に出場した「プラチナ世代」の司令塔だが、現在25歳を迎えて「それまでが上手くいきすぎただけ。努力が足りなかった。まだまだってことです(笑)」と受け止め、浦和レッズから移籍した徳島ヴォルティス、愛媛FCで実績を残し、このオフ、複数のクラブからオファーが届いた。そして、そのなかで、「一番最初に声を掛けてくれて、必要とされていると感じた」と千葉への移籍を決めた。

 とはいえ、愛媛への感謝は惜しまない。前橋育英高出身のパスセンスに長けた技巧派ミッドフィルダーは、愛媛での3年間によって「人間的にも成長できた」。昨季はキャプテンを務め、「プロになったばかりの頃は自分のことだけ考えてきたが、周りを見ることによって視野が広がり、ゴールに絡むチャンスも増えていった」という。

 その小島が愛媛で影響を受けたというのが、河原和寿、玉林睦実、深谷友基のベテラン3人だ。先月30歳の誕生日を迎えた河原は6年目を迎え、愛媛県宇和島市出身である33歳の玉林も4年目の契約を更新。2008年の大分トリニータで奇跡のナビスコカップ優勝に導いた深谷は昨季限りで引退を決めた。

「いろんな経験をしている選手が多かった。河原選手、玉林選手、深谷選手からは、自分がキャプテンを務めた昨季、いろんな話を聞かせてもらい、その経験値に支えられました。特にタマさん(玉林)とは一緒にいる時間が長く、あの年齢(33歳)になっても、最後まで居残り練習をして、ジムに行って筋力トレーニングをして、そういう背中を見ると、やっぱり素晴らしいなと思っていました。

 タマさんのその背中をずっと見ていて、人間的にも尊敬することばかりで、試合に出ているとか出ていないとか関係なく、自分のやるべきことを信じながらやっていました。

 自分がそんな年齢になった時、背中で見せられるような選手になりたい。あの背中に追い付きたい。タマさんの背中は、僕にいろんなことを教えてくれました」

 愛媛FCでの3年間は、彼にとって大切な時間になった。そして2018年、心機一転、小島が千葉のJ1昇格のために全身全霊を傾ける。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI