【横浜FC】GK山本海人が「曖昧なところが多い」と新体制発表でいきなりダメ出し―込められた不退転の決意
山本海人が横浜FCのJ1昇格に向けて、強い決意を示した。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
今しか言えない「外から見て」の印象をあえて吐露。
GK山本海人が2018シーズン、ジェフユナイテッド市原・千葉から横浜FCに期限付き移籍した。清水エスパルス、ヴィッセル神戸、そして昨季は千葉と3チームでプレー。食事や健康管理にも気を配り、試合に出ていても、出ていないときでも、常にベストコンディションを保ち、万端に準備を整える。その高いプロフェッショナル意識は、北京五輪代表時代の反町康治監督(現・松本)などから高い評価を受けてきた。
その山本が1月12日の新体制発表記者会見の席で、次のようにあいさつした。
「ストロングポイントはコーチングと考える力。試合中や練習中の声だけでなく、ピッチ外、オフでも自覚をもってコミュニケーションをとれるところが特長です」
さらに彼は、奥寺康彦スポーツダイレクターが語っていた、「昨季はJ1昇格へ、あと少しのところが足りなかった。そのあと少しの『隙』を埋めることに全力を注ぎたい」と語ったことを挙げて、次のように語った。
「奥寺さんの話にあったが、このチームになにが欠けているか。外から見ているとき、まあいいか、あとでやればいいかといった、曖昧なことが多いのではないかと感じていました。だから、オン、オフのとき、常に選手間でコミュニケーションをとり、監督の理想とするやりたいスタイルをリスペクトしながら近づくこと。それがJ1へ近づく近道になると思っています。それはひとりではできないこと。力を合わせてJ1を目指します」
J1昇格という至上の目標達成に向けて、今しか言えない「外部」から見た思いを吐露した。そして新たなユニフォームに袖を通し、ここからは横浜FCの一員として、新たな挑戦を開始する。
それぞれが危機感と期待を語った新体制発表。2007年以来のJ1昇格に向けて、横浜FC、そして山本海人が、クラブのエンブレムに描かれた不死鳥のごとく、必ずや這い上がってみせるという不退転の強い決意を示した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI