【大宮】ハマカーンに一撃! シモヴィッチがさっそくサポーターの心を鷲掴み
新加入選手の中でも頭一つ抜け出るシモヴィッチ(9番)。新エースとして期待される。(C)SAKANOWA
漫才のような掛け合いから、ロビンが満場の笑いと熱い拍手を引き出す!
1月14日のMOVIXさいたまでの大宮アルディージャの新体制発表会は、クラブ創設20周年を関係者のインタビューで振り返る小説のようなムービーと、新加入選手の紹介という2部構成で行われた。
第2部では今季のテレビ埼玉のクラブ応援番組のMCを担当する埼玉県入間市出身のハマカーン浜谷健司さんと朝倉未菜さんが司会進行を務めた。そして浜谷さんが軽妙なトークで徐々に会場を盛り上げるなか、ロビン・シモヴィッチへのインタビューを始める。199センチの長身スウェーデン人FWを前に、圧倒されそうになるものの怯まず質問する浜谷さん。
まずシモヴィッチが「コンニチハ、ミナサン!」とあいさつ。そして次のように掛け合いが続いた。
――日本の生活には馴染めました?
「すでに2年間プレーしたからね、適応するには十分な時間だった。大宮に来ることに一切迷わなかった。二つ返事で決断したよ」
――刺身は食べられる? (通訳に)ちょっと聞いてよ。
「(日本語で)サシミ、ダイスキ!」
――刺身、大好き? いいですね!
「もう、ほとんど日本人だから。あと少し時間が経てば、100パーセントの日本人になれるよ」
さらに浜谷さんから埼玉県人になるためにも埼玉銘菓「十万石まんじゅう」をぜひ試してほしいと再三勧められると、「オイシイ?」とロビンは首を傾げて尋ねていた。
英語の通訳を挟みながらも漫才をするようにシモヴィッチが返す。まさに彼が完璧な日本人になりつつあることを証明しているかのようだった。
ハマカーンのお株を奪うように、シモヴィッチがどっと沸かせて、会場の雰囲気を瞬く間に和ませた。ただ、そのあとに語った抱負は、新たなエース候補らしい心強いものだった。
「もちろんオフェンシブなサッカーをしたい。ただし、目標はただ一つ、J1昇格あるのみ。そのためにはハードワークも怠らない。攻守両面で全力を尽くす。プレッシャーは問題ない。背番号9をもらったことでの周りの期待も理解している。ただ、1年でJ1に返ること。そのためにやるべきことをするだけさ」
シモヴィッチは満場のサポーターの心を鷲掴み。大きな拍手を受けていた。
ちなみに今季目標とするゴール数を聞かれると、「具体的な数字は設けないようにしている。もちろん昨季以上は決めたい」と答えた。昨季のリーグ戦は18ゴール。インタビューで「プラス3!」と答えたのは、新シーズンの目標が21点ではなく、昨季の昇格プレーオフの千葉戦でハットトリック(3ゴール)を決めているよ、という意味だった。
2018シーズン、シモヴィッチが最前線で躍動すれば、大前元紀の復活、マテウスの覚醒、マルセロ・トスカーノのフィットなど様々な相乗効果が期待される。2月25日のJ2開幕のヴァンフォーレ甲府戦に向けて、まずチームは1月17日から27日まで、沖縄県総合公園陸上競技場で1次キャンプを行う。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI