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内田篤人が垣間見せた「父親の一面」

新体制発表会での内田。一瞬、父親の表情を見せた。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

鹿島アントラーズの新体制発表会で、壇上の新人・沖悠哉を見つけて。

 内田篤人がメディアの注目を一身に集めた1月10日の鹿島アントラーズの新体制発表記者会見でのことだった。ホールの端でペン記者に囲まれて取材を受けて15分近く経ったとき、内田が背伸びをして、ふと一瞬、少し離れたひな壇のほうを見つめてほほ笑んだ。

「今、家族でほのぼのと写真撮影をしていて。いいですね」

 視線の先の壇上では、鹿島アントラーズユースから昇格した新人のGK沖悠哉が両親と一緒に立って記念撮影をしていた。内田は言った。

「自慢の息子ですよ。親になって分かります、心配もあるでしょうね……」

 2016年秋に第一子の長女が誕生したという内田が垣間見せた、父親の一面だった。その眼差しは優しく、アカデミー出身の今季唯一のルーキーである沖を見守る「兄」のようでもあった。

 ピッチ上では闘う集団として、平等にチャンスが与えられる。一方、ピッチの外に出れば、そういった若手を温かくしっかり見守ろうとする環境がある。些細ではあったが、こうして少しずつ選ばれしトップチームのメンバーの絆が深まっていくー―そんな鹿島が大切にしてきた「ファミリー」を物語るような一コマだった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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