新人の下川陽太が「大好きなサッカーが仕事になる幸せ」を噛み締め、松本山雅のため全力でサイドを駆け抜ける
反町監督からのアドバイスは——。
「自分の特長がなんなのかを把握して、プレーの精度を上げないと駄目だ」
その指揮官からの言葉が、胸に刻まれているという。
これからは「食べるところも、休むところも仕事。プロとして、その一つひとつをしっかり見つめていきたいです」と、下川は自覚する。生活のすべてをサッカーに捧げられる。あとはチームの勝利のために日々、全身全霊を尽くすだけだ。
「(キャンプは)ケガをせずにここまで来ているので、順調です。(今季の目標は)J1に行くことはもちろん、数字で結果を残していきたいです。昨季はゴールも、アシストも、記録できませんでした。僕からすれば、『ただ試合に出ていただけ』だと思っています。今季ははっきりと誰にもわかるように、結果を残していきたいです」
爽やかな笑顔も”武器”で、早くも多くのファンの獲得に成功している。チームの新たな顔にもなり得る、タフで負けん気の強い——―松本山雅の大地に力強く萌える緑のユニフォームが似合う男だ。
下川陽太が本当の意味でのスタートラインに立つ。松本を応援するすべての人のため、プロとして戦う喜びと覚悟を胸に、2018シーズンが始まる。
■プロフィール■下川陽太 しもかわ・ようた/1995年9月7日生まれ(22歳)。大阪府出身。アスペガス生駒FCーアスペガスFC―国見高―大阪商業大―松本山雅FC。178センチ・70キロ。昨季J2・8試合0得点(特別指定)。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI