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【鹿島】上田綺世が記者会見。サークル・ブルッヘ移籍の決め手は「熱量」。一方「タイトルや結果で恩返しできなかった悔しさはあります」「素晴らしいサポーターに囲まれ、何より伸び伸びできて成長率もかなり高かった」

オンラインによる記者会見に臨んだ鹿島の上田綺世。(C)KASHIMA ANTLERS

「自信は特にありません」と語ったその真意は?

 ベルギーリーグ1部サークル・ブルッへKSVへの完全移籍のクラブ間合意が発表されたJ1リーグの鹿島アントラーズの日本代表FW上田綺世(UEDA Ayase)が7月1日、オンラインの記者会見を行った。翌日に出発が控えるなか23歳のストライカーは約30分間、決断の背景などを語った。

「僕が鹿島に在籍した4年間、タイトルから遠いシーズンのほうが多くもどかしく、自分の結果次第でタイトルをたぐりよせられるのにとずっと思ってきました。現在鹿島は2位で、今年こそタイトルを獲るチャンスだと感じていました。

 同時に、入団前からスタッフや強化部と話をしてきて、タイトルに近づくことで、そういう道(欧州挑戦)も開けてくると自分のなかでも理解してきました。ただ、そこのバランスを取る難しさはありました。

 年齢的には世界的にも若くなく、挑戦するタイミングを逃したくないと焦りもあり、海外でプレーしたい思いはありました。悩みましたけれど、今しかないと決断しました」

 決して自分のレベルが低いと感じたわけではないが、日本代表活動で感じた欧州組の強度の高さ、そして外国人選手と対峙するなかで挑戦への意欲は強まっていった。ただ上田は現時点で「自信はない」とも言った。その真意を説明する。

「自信は特にありません。それでも、どれぐらいできるのか楽しみ。何も通用しなくても、向こうでまた違ったもがき方ができれば自分の成長にもつながると思います。そこから自分をどのように変化させていくのか考えながら、また成長できると考えています」

 そしてサークル・ブルッヘに決めた理由について「熱量」を挙げた。「第一に熱量。自分への熱をすごく感じました。そういうクラブで僕もプレーしたかった」と、本気で上田を必要としている、その気持ちが伝わってきたという。

 ただ、新天地についてはすべてが未知数で、「どういうスタイルなのかは入ってみないと分かりません。4年前にJリーグにチャレンジした時のような境遇になると思いますが、そこから仕切り直しです」と、ゼロからのスタートになると口にした。

 また鹿島のジュニアユースを経験している上田は、次のように環境に感謝していた。

「中学生であるジュニアユースの頃は、サッカーを学ぶ場所でした。大人のサッカーに近づいた3年間だったなと感じています。そこでトップチームでできるのはすごく幸せなのことですし、サッカー観や知識のベースは中学生で培ったもの。僕の中ではタイトルや結果で恩返しできたら良かったのですが、それができなかったのが悔しい部分ではあります」

 タイトルを残せなかったもののベルギーへ旅立つ決断を下した。そのことについてサポーターへ次のようにメッセージを残した。

「この4年間、素晴らしいクラブ、スタッフ、選手、サポーターに囲まれて、僕自身もすごく充実したプロ生活になりましたし、何より伸び伸びできて成長率もかなり高かった。充実した4年間でした。声出しができなくなくても足を運んでくれるサポーターの方々がいて、伝統を受け継いできた先輩たちがいて、その背中を見てきたからこそ、今の自分があります。その気持ちを海外に行って発揮したいし、新しい文化も取り入れながら、また違うプレーヤーとしての成長ができたらと思っています。

 それを日本から見ていてほしいです。ただ、プロなので、タイトルを取りたかったですが、個人のキャリアを考えると、今しかないのも事実で、そこは理解してほしいと思います」

 今季これまでリーグ最多ゴールを決めてきた23歳のストライカー上田が、鹿島から世界に挑む。

 上田は1998年8月28日生まれ、茨城県出身。182センチ・76キロ。これまでのキャリアは、鹿島アントラーズノルテJrユース ― 鹿島学園高校 ― 法政大学 ― 鹿島アントラーズ。J1リーグ通算86試合 38得点、リーグカップ11試合・5得点。天皇杯4試合・4得点。AFCチャンピオンズリーグ2試合・0得点。日本代表9試合・0得点。

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