【MATCH REPORT】繰り返される“結果オーライ”の3バック。久保スルーパス、南野がPKを決めたものの…
パナマ代表戦に出場した日本代表の久保建英。(C)JFA/写真:日本サッカー協会
またも流れの中から決められず。メキシコ戦は心を揺さぶるような戦いを。
[国際親善試合] 日本代表 1–0 パナマ代表/2021年11月13日15:15(日本時間23:15)/オーストリア・グラーツ
日本代表(SAMURAI BLUE)がパナマ代表とオーストリアのグラーツ・リーベナウ・シュターディオンで対戦し、南野拓実のPKによるゴールで1-0の勝利を収めた。FIFAランキングは日本が27位、パナマが77位。
日本は3-4-2-1のシステムでスタートを切る。前線は南野拓実を頂点に、三好康児と久保建英がシャドーに入るトライアングルを形成。ボランチは柴崎岳と橋本拳人、ウイングバックに室屋成、長友佑都、そして最終ラインには左から板倉滉、吉田麻也、植田直通、GK権田修一というフレッシュな顔触れで臨む。
立ち上がりから日本は最終ラインで人が余ってしまうなどノッキングを起こして、全体がなかなか機能しない。開始早々にセットプレーから橋本が決定的なヘディングシュートを放ったが、その後は試合全体が停滞気味に。両チームともに決定機を作り出せず、スコアレスでハーフタイムを迎える。
日本は後半開始から、橋本を下げて遠藤航を投入。湘南ベルマーレと浦和レッズ時代に3-4-2-1でプレーしてきた(当時は最終ライン起用が多かったが)日本の6番が、VfBシュツットガルト仕込みのデュエルの強さを見せつける。中盤のまさにアンカー(碇)となって、相手ボールをことごとく奪い、チームに流れをもたらす。
すると61分、遠藤の縦パスを受けた久保がスルーパス。相手の背後を抜け出した南野がGKに倒されて、PKを獲得する。これを南野自身が決めて、先制に成功した。
その後、日本は原口元気、浅野拓磨、鎌田大地、中山雄太、酒井宏樹を投入する。浅野を倒した相手GKが一発レッドカードで退場し、試合終盤は数的優位に立って攻め続けた。
しかし結局、1-0のまま試合終了に。10月シリーズのコートジボワール戦に続いて“ウノゼロ”での勝利を収めた。
後半は攻撃の迫力が増した。とはいえ、またも流れの中からゴールを決められず。結局3-4-2-1の基本コンセプトが全員で共有できているとはあまり感じられない内容に。ビルドアップ、プレッシングやマーク、トランジションなど、ディテールでの詰めが甘く、森保一監督が口にする「共有意識」を図れている印象は受けられなかった。
試合に向けた準備期間が限られ、先月まで約1年活動できなかった影響は確かにある。しかし指揮官の3バック採用時、“結果オーライ”と言える試合が続いてしまっている。
17日(日本時間18日5時)のメキシコ代表戦は4バックを採用する可能性が高い。ただ今回、前線の軸である大迫勇也らが不在とはいえ、結果も欲しいところだが、心を揺さぶるような戦いを期待したい。
森保監督は試合後、「選手を入れ替えて、システムについてもトライして、最初はなかなか合わないところもありましたが、選手が粘り強く対応し、無失点に抑えられたことは評価できます。1-0から2-0、3-0と仕留めるところを課題にしたいです」と語った。
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[文:サカノワ編集グループ]