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大宮Vが1週間かけて地域活動、パワーもらう “VENTUS ACTION WEEK”│WEリーグ

写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

サッカースクール、小学校の下校見送り、クリーン大作戦、障がい者サッカー体験…選手主体で実施。

 WEリーグの11クラブは試合が開催されない日を「WE ACTION DAY」と定め、感染対策を行いながらオンラインイベントやクリーン活動、サッカー教室などを実施してきた。

 ほとんどのチームが1日完結での取り組みをするなか、第6節で担当となった大宮アルディージャVENTUSは「VENTUS ACTIN WEEK」と称し、ほぼ1週間かけてホームタウンで様々な取り組みを行ってきた。

 主な活動は、大宮アルディージャサッカースクール「なでしこクラス」訪問、さいたま市立指扇北小学校の下校見送り、クリーン大作戦、障がい者サッカー体験の4つ。全員参加とともに、選手の希望によってイベント担当を決めるという“選手主体”のスタンスを大切にした。

 サッカースクールでは小学1年~3年女子、4年~6年女子の2クラス、同時に小学3・4年男子、5・6年男子のクラスを訪問。選手たちはミニゲームなどであっという間に子供たちの輪の中に溶け込んでいった。

 参加した小学5年生の鈴木莉來さんは、「今日はすごく楽しみにしてました。グレイス(カトラー・グレイス・エリン)選手に『点を決めたらガッツポーズをする』と話したら、『決めたらやろうね!』って言ってくれたのが嬉しかった。ベントスの試合を見に行けたら、シュートがどんな威力なのか、どんなパスを出しているのか見てみたいです」と感想を語った。

写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

 この企画を担当した仲田歩夢は、「自分が小さい頃もそうだったように、身近に“選手”を感じることは、すごく大事だと思います。今回、私たちと一緒にプレーをしたことで、こういう選手になりたいとか、女子サッカー選手になりたいと思ってもらえたら嬉しいです」と、この年代で選手と触れ合う体験の重要さを強調していた。

 そして選手たちが様々な刺激を受けていたのが、全員参加で行われた障がい者スポーツ体験だった。

 雇用先がアンプティサッカーFC ONE TOPを設立していて、以前から連携をしたいと考えていたのが坂井優紀だ。

「いろんなお手本も見せてもらう中にボレーシュートもあったんですけど、もうあれを見てしまうと障害があるとかないとか関係ないですね。ただただスゴイ!! しかなかったです」

 選手たちは3グループに分かれてブラインドサッカー、アンプティサッカー、ロービジョンサッカーをすべて体験。今回のことを通じて実感したことがあるという。

写真提供:大宮アルディージャ

「私たちがやってるサッカー同様にコミュニケーションが大事だと感じました。どれにおいても話すこと、伝えることなくしては成り立たないんです」

 坂井はそのように振り返るとともに、今回のVENTUS ACTION WEEKの経験から新たな発想も出てきた。

「現状では難しくても、幼稚園生と遠足に行って、公園でサッカーとかできたらいいなとずっと思っていました。でも今回のことで、全盲の方とも一緒にできるかなって。私たちが気付いていないだけで、助けが必要な方ってたくさんいると思います。『今、信号は赤です』『自転車が通るので、右に寄ってください』と、どう伝えればいいのか。目の見えない方にはこうしたほうがいいんだとか、自分としては知りたいですし、日常でたくさんの人が声をかけていければ街全体が変わるだろうし、それが全国に広がるといいですね」

写真提供:大宮アルディージャ

 まず1回目。体験を通して、社会につなげていく。WEリーグの理念を大宮Vなりの、そして選手なりの捉え方で地域に寄り添っていく。

 大宮Vの選手からはそんな自発性がハッキリ感じ取ることができた。大宮Vが次回のWE ACTIONで、どのような取り組みを見せてくれるのか、ぜひ継続した試みをしてもらいたい。

写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

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[取材・文:早草紀子/協力:大宮アルディージャVENTUS]

Posted by 早草紀子

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