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【皇后杯決勝】躍動するINACのルーキー愛川陽菜が優勝へのキーパーソンに。「速くて上手くて、バネもある」2トップを組む髙瀬愛実もイチ押し!

決勝に向けて意欲を示したINAC神戸の愛川陽菜。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

WEリーグ初ゴールから勢いに乗り、皇后杯準決勝EL埼玉戦では2得点演出。「今はワクワクしています!」と、ベレーザに思い切って挑む。

[皇后杯 決勝] 日テレ・東京Vベレーザ – INAC神戸/2023年1月28日15:00/ヨドコウ桜スタジアム

 ルーキーイヤーに躍動している選手がいる。INAC神戸レオネッサの愛川陽菜だ。

 2022-23シーズンに名門の神村学園からINAC入りした19歳が、WEリーグのアルビレックス新潟レディース戦で初ゴールをマークすると、皇后杯準決勝のちふれASエルフェン埼玉戦では、マークを振り切りヘディングで髙瀬愛実の先制弾をアシスト。成宮唯の決勝点も左サイドにいた愛川の折り返したから生まれた。2ゴールをもたらし、決勝進出に貢献した。

 高校時代はトップ下やボランチでプレーしてきたが、INAC神戸ではFWを担う。

 なでしこジャパン(日本女子代表)として世界と戦ってきた髙瀬や田中美南らがいるなか、堂々と肩を並べようとしている。コンビを組む髙瀬は「INACの2トップがいいと言うより、陽菜がいいんです(笑)。速くて上手くて、バネもある。彼女が自由に動けるように、自分はバランスを見ながら動ければと思っています」と、愛川効果を語る。

 一方、愛川は「髙さん(髙瀬)がとても上手くて、その上で惜しみなく教えてくれます。いろんな声掛けをしてくれるので精神面でも支えてもらっています!」と、憧れてきた高瀨との夢のような時間を堪能している。

 あどけなさのまだ残る愛川は、嬉しそうに先輩の存在について語る。二人の言葉からもいい関係性であることが伺える。

「味方が頑張って蹴り出したボールやルーズボールでも、自分が走ってキープできればチームが助かる。まだまだやりたいことをできない時間帯もありますが、できることは全部やらないと。若手なので(笑)」

 足りない経験値は、気力と走力でカバーする。持ち前のドリブルを武器に起点も作り、切り替えのスイッチとなるプレッシングにも100パーセント全力を怠らない。一つひとつのプレーから、彼女の意気込みが伝わってくる。

 初めて挑む皇后杯決勝の相手は、日テレ・東京ヴェルディベレーザだ。愛川と同世代の若い選手も多く、中でも藤野あおばは、なでしこジャパンとして世界と真っ向勝負をしている逸材だ。

 愛川は「負けたくないですね」と闘志をチラつかせつつも、「何度でもしつこく仕掛けて行くつもりです。今はワクワクしています!」とチャレンジャー精神でぶつかっていく。

 試合巧者であるベレーザに対し、どのように突破口を切り開くのか。物怖じしない愛川らしい思い切ったプレーで突き抜け、ゴールとタイトルをもたらしたい。“日本一”の笑顔を見ぜてもらいたい。

【PHOTO】浦和レディース、皇后杯初優勝。週末はWEリーグ再開(11枚)

皇后杯準決勝EL埼玉戦、ドリブルで仕掛けるINAC神戸の愛川陽菜。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
トレーニングする愛川陽菜。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

[取材・文・写真:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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