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【W杯ベルギー戦 採点・寸評】負けても乾に最高点「5」を付けたかったが…

【マン・オブ・ザ・マッチ=MOM】ケビン・デ・ブルイネ(ベルギー)

原口、香川、柴崎にも「4」の高評価。

[ロシアW杯 ラウンド16] 日本 2–3 ベルギー/2018年7月2日(日本時間3日午前3時)/ロストフ・ナ・ドヌ

【選手採点│寸評】
※5段階評価。5が最高で、1が最低。採点対象は原則、出場20分以上。

※採点の見方
ポジション 
背番号 選手名 採点

GK
1 川島永嗣 2
ヘディングが頭を越していった1失点目は、彼が強調してきた「チームを救ける存在」になるためには防ぎたかった。試合終盤の2本のビッグセーブで悪い流れを断ち切ったが、結果的に今大会(西野体制下全試合でも)一度も無失点に抑えられず。今回も敗れ、評価「2」に。

DF
19 酒井宏樹 3
対峙するカラスコとの1対1で互角以上に渡り合った。右サイドの高めの位置で起点になり、香川らを上手く生かせていた。両チーム最速となる時速32.4キロのスプリントも計測。それでも試合終盤に足を痛めたことが影響したのか、ミスをして運動量も低下。劣勢のなか、馬力を発揮できなかった。

22 吉田麻也 3
30分のカウンター封じ、68分のルカクのシュートへのブロック……ピンチになる一歩前で危険の芽を摘み続けた。しかしフェライニ&ルカクを同時に見なければならない形になって2失点目を奪われてしまう。そしてアディショナルタイムのCKから3失点目。一瞬集中が切れたのか、目の前にいたGKクルトワの”パス(=フィード)”コースを消したかった。

3 昌子 源 3
「ルカク封じ」の吉田との共働作業は緻密で文句なしだった。だが彼が試合前日の記者会見で言っていたように、「ルカクだけではなくいい選手はたくさんいる」と、ルカクをある意味おとりにされて、周りを使われてしまった。必死に自陣に戻った3失点目も、あと一歩及ばなかった……。今後は想定外の出来事にも対応できるタフさが求められる。

5 長友佑都 3
ムニエに自由を与えず、相手が嫌がるようなオーバーラップを繰り出して牽制。1列前の乾に対するフォローも申し分なかった。ただ、延長戦突入を嫌ったのか、試合終盤に攻め急ぐ場面が何度かあり、逆にカウンターを食らってピンチを招いた。長友の底力を存分に生かす30分になったはずだが……。「4」をつけたかったが「3」に止めた。

MF
7 柴崎 岳 4
ここしかない、というキラーパスで原口の先制ゴールをアシスト。ベルギーの選手間、そして背後を突くパスは絶品だった。イエローカードをもらっていたため、試合終盤に山口と交代。その後のFKやセットプレーを考えると、結果的に、柴崎が残っていれば……と思われる展開となった。

 17 長谷部誠 3
セカンドボールを拾い、ピンチの芽も確実に摘んでいた。ただフェライニに制圧されて2点目を献上。最後の3失点目はルカクへのマークはしていたが、スルーをされて、後方にいたシャドリに決められた。トータルでは及第点と言える出来だったか……。

8 原口元気 4(分▼)
ドリブルで仕掛ける機会はこの日も限られ、献身的に酒井宏とともにサイドの守備をこなしながら攻撃に加わった。柴崎のスルーパスを受けての先制点は、これまでの彼のサッカー人生の多くの不運が幸運に変わった瞬間だった。試合を壊さない、という役割をこなした貢献度も高かった。2失点目は、柴崎と二人でフェライニにマークしていたが、それを外して(長谷部に託して)、決められている。そのあたりの『守備の徹底』の甘さは、日本全体の課題だ。

10 香川真司 4
この日、両チーム最長の12.04キロを走り、パス本数も最多53本を記録。日本のファーストシュートを放ち、起点となってパスを散らして乾の2点目にも絡んだ。評価「4」をつけたが、試合を決定づける仕事も見せたかった。多くを求めすぎかもしれないが、日本の10番にはそれができたはずだ。

14 乾 貴士 4
ボール奪取から柴崎を経由して原口の先制点をもたらし、鮮烈のミドルで2点目を叩き込む。相手を翻弄し、躍動したプレーは、負けたとはいえ最高評価「5」を付けられる出来。しかし――最後の3失点目、自陣ゴール前から猛スピードで駆け上がり決勝点を叩き込むシャドリを追っていたのが乾だった。だが、長谷部が対応していると判断したのか、途中で追うのを諦めてしまった。悔やんでも悔やみ切れないワンプレー。そのため「4」の評価に。

FW
15
 大迫勇也 2
前線でのキープ力は高かったものの、グループリーグ2試合よりも体ごと弾かてしまうことが多く、加えて低い位置でのプレーが目立った。また、2失点目はマークしていたアザールにかわされてクロスを上げられ、フェライニに決められている。今大会初先発のコンパニの動きが若干重そうだっただけに、もっと嫌らしくそこを突いて揺さぶりたかった。

▼交代出場
4 本田圭佑 ―(81分△)
右MFに入ってボールの収めどころとして機能。無回転の直接FKはゴールの枠を捉えたものの、クルトワにセーブされる。軽率と言えたラストのCKは、GKに直接キャッチされるという”最悪”のキックになってしまった。延長戦に突入し、あと30分、ワールドカップの舞台を自分のためにするぐらい、ふてぶてしいプレーを見せてほしかった。

16 山口 蛍 ―(81分△)
投入直後のファーストプレーでボールを奪いに行った相手にかわされると、試合の流れに乗り切れない。飛び出してはかわされ、すると徐々に消極的になってしまう。3失点目も、デ・ブルイネのパスコースを消していたが、そのあとの対応に遅れ、誰にも当たりに行けず。ガツンと当たって潰す持ち味を出せなかった。

文:サカノワ編集グループ

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