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【高校選手権】堀越のFW尾崎岳人が着ていたもう1枚のユニフォーム。「5番」と決めた大舞台のゴール

堀越の尾崎岳人が写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

手の甲にも「5」と大きく書き込む。大ケガで今大会欠場、馬場跳高の思いを乗せて、大社とのPK戦を制して3回戦進出。

[高校サッカー選手権2回戦]  堀越 1(4PK3)1 大社/2021年1月2日/駒沢陸上競技場 ※40分ハーフ

 全国高校サッカー選手権2回戦、東京都A代表の堀越が島根県代表の大社に1-1からのPK戦を制して、ベスト16進出を果たした。

 開始5分、最終ラインからのロングキックに対し、DFふたりの間を抜け出したFW尾崎岳人がヘッドで合わせて、幸先良く先制に成功する。

「あの形は練習から取り組んでいて、そこはしっかりディフェンダーを信じて、自分は走るだけで、いいボールがそこに来たので合わせるだけでした。(ゴールの秘訣は?)小学校の頃に野球をやっていて、ボールの落下点に入ることが生きています。さらにそこにDFの視野の外から入っていく感覚などを養ってきました」

 すると尾崎は下に着ていた「5番」のユニフォームを見せる。これは地区予選で骨折の大ケガを負った馬場跳高が着用してきたものだった。左の手の甲にも大きく「5」と書き込んで臨んでいた。

「昨日、馬場と1時間ぐらい電話で話をして、ユニフォームを着させてくれ、決めたらカメラに向けて掲げるからと約束していました」

 そのように3年間ともに戦ってきた仲間の力も借りて決めたゴールだったと明かす。

 粘る大社の品川絢人のゴールで試合終盤に追い付かれ、決着はPK戦に委ねられた。ただ、そこでも尾崎はチームメイトを信じていた。

「PK戦では平野(裕太)はしっかり止めてくれると信じていました。自分たちは決めることだけに集中して、3回戦に進出できて良かったです」

 尾崎は頷く。堀越のまさに総力を結集させての初戦突破に胸を張った。

 実に29年ぶりの出場で、多くの人に勇気を与える“1勝”となった。1月3日の3回戦、堀越は福井県代表の強豪・丸岡と対戦する。

大社の持田優輝(27番)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
堀越の日野翔太(10番)と角凌太(24番)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
堀越が29年ぶりの勝利!写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
クロスを放つ堀越の古澤希竜(7番)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
PK戦は平野裕太(21番)が守り切り――。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

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[文:塚越始]

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