久保建英ら招集回避。東京五輪の先へ、本気で「優勝」を狙うU-20日本代表も見たかった

昨年のU-19アジア選手権に臨んだU-19(現U-20)日本代表。(C)AFC

コパとの両輪で若手台頭のチャンス。一方、日本代表と揃って「Bチーム」の印象は拭えず。

 ポーランドU-20ワールドカップ(W杯、5月23日開幕)に臨むU-20日本代表のメンバー21人が発表された。久保建英(FC東京)、安部裕葵(鹿島アントラーズ)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、橋岡大樹(浦和レッズ、負傷中)と中心選手4人が外れ、Jリーグであまり出場機会を得られずにいる選手が主体の構成となった。

 昨年のインドネシアU-19アジア選手権を現地で取材したが、U-19日本代表は「ベスト4」で敗れた。U-20ワールドカップの出場権を獲得したあとの準決勝、サウジアラビアに0―2の完敗を喫した。11人全員を入れ替える完全ターンオーバー&布陣変更の策が完全に裏目に出たとはいえ、途中から久保らを投入してベストに近い布陣にしたものの、明らかな力負けに終わった。

 そこまであからさまなターンオーバーをしていなければ……せめて開幕から続けた4バックを採用していれば……。優勝候補と目された「とにかく元気な世代」の選手たちの真価が見えず敗退を喫したと言えた。しかし選手たちはこのアジア「ベスト4」という結果をまた真摯に受け止めていた。自分たちはそのレベルである、と。

 この世代が本当に強いのか? さらに成長して世界を驚かすことはできるのか? それは1年後の楽しみ=U-20ワールドカップへ持ち越された、と言えた。

 昨年所属クラブでレギュラーを務めた橋岡、安部、齊藤未月がいて、今季は久保と大迫が突き抜けた。この世代は、東京五輪代表チームの中心になりうるポテンシャルがあると感じられた。

 6月開催のコパ・アメリカ(南米選手権)に臨む日本代表は、Jリーグが開催中で、欧州組の拘束力もなく、ベストメンバーで臨めない。既報通り、このチームの中心選手であった久保と安部、大迫、(橋岡も?)が招集される運びだ。

 A代表が最優先されるのはもちろんだ。とはいえ、このタイミングだったのだろうかと首をかしげてしまうところはある。今年12月にはE-1東アジア選手権もあり「テスト」を段階的にできる機会はあった。アジアカップ決勝で敗れて以降、森保一監督のチーム作りにやや「焦り」のようなものが見え始めているのは気になる。

 もちろん、コパとU-20日本代表の両コンペティションを生かして、この5、6月、一気に若手を底上げできる機会とも言える。しかし、一方、日本代表もU-20日本代表も、中途半端な「Bチーム」になってしまう印象は拭えない。

「成長をうながすため」「経験を積ませるため」

 日本サッカー協会の関塚隆技術委員長らからは、そういった言葉が多く聞かれる。

 果たして、20歳以下の選手たちの日本は、世界でどれぐらいの立ち位置にいるのか? それは本気でぶつかっていかなければ見えない気がする。代表レベルの国際大会での「いい経験」という言葉は聞き飽きてきた。

 このU-20W杯を重要な契機に、東京五輪、カタールW杯へとつなげていくという流れのイメージは共有できていたはずだった。ただ東京五輪はレギュレーションも特別で、どちらかというと“お祭り的”。今回のU-20ワールドカップはポーランド開催とあって、欧州組のタレントも参加しやすく、各国ともかなり本気モードで臨んでくる。真剣勝負の機会が限られる島国の日本が、ガチンコで戦える限られた絶好のチャンス。

 だからこそ、本気でU-20ワールドカップを獲りにいく――。そういったチームを見たかった。もちろん、このチャンスを生かし、また新たなタレントが台頭することも楽しみにしている。ただ、ベストメンバーで戦うことで、勝っても、負けても、日本サッカーが、これまでにないものを得られた気もしている。

文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

※U-20日本代表のメンバーとU-20W杯の日程は次の通り。

GK
12 茂木 秀(大阪)
1 若原智哉(京都)
21 鈴木彩艶(浦和ユース)
DF
15 鈴木冬一(湘南)
4 瀬古歩夢(C大阪)
17 三國ケネディエブス(福岡)
5 菅原由勢(名古屋)
19 喜田 陽(福岡)
3 小林友希(神戸)
2 東 俊希(広島)
MF
10 齊藤未月(湘南)
7 伊藤洋輝(名古屋)
6 郷家友太(神戸)
8 藤本寛也(東京V)
16 山田康太(横浜FM)
18   滝 裕太(清水)
9 斉藤光毅(横浜FC)
FW
11 田川亨介(FC東京)
13 宮代大聖(川崎)
20 中村敬斗(G大阪)
14 西川 潤(桐光学園)

▽監督
影山雅永

◇ポーランドU-20W杯 
 U-20日本代表の日程 ※現地時間

5月23日(木) GS第1戦 vs U-20エクアドル代表 
5月26日(日) GS第2戦 vs U-20メキシコ代表 
5月29日(水) GS第3戦 vs U-20イタリア代表 
6月2日 (日) ~ 4日(火) ラウンド16 
6月7日 (金) ~ 8日(土) 準々決勝 
6月11日(火) 準決勝 
6月14日(金) 3位決定戦 
6月15日(土) 決勝

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