仙台×広島、神戸×鹿島の「ノーハンド」の判定はどちらも “問題なし”

鹿島のレオ・シルバは1点取り損ねた形に……。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「ハンドは判断する人によって、幅が出てしまう」

 J1・11節のベガルタ仙台対サンフレッチェ広島戦、ヴィッセル神戸対鹿島アントラーズ戦、その両カードでボールが選手の手に当たったものの、ハンドのファウルは取られなかった、というシーンがあった。その判定は正しかったのか? 「DAZN」の人気コンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、日本サッカー協会(JFA)の審判委員会トップレフェリーグループマネージャーの扇谷健司氏が解説した。

 仙台対広島戦の59分、広島の柴崎晃誠から出されたペナルティエリア内へのスルーパスに、エミル・サロモンソンがダイレクトで合わせシュートを放つ。するとそのシュートは仙台の金正也が体を投げ出したあとの左手に当たって、シュートコースが変わっていた。

 しかし主審はそのままプレーを続行。コーナーキックを指示した。

 扇谷氏は次のように解説した。

「ハンドではないと思っています。DFの金選手がボールにチャレンジして、バランスを取るために腕を広げています。そこに対しボールが当たったという判断が妥当ではないかと思います」

 一方で、「ハンドは、(今夏から採用される)新ルールになっても、おそらく判断する人によって少し幅が出てきてしまう。そこが非常に難しいところだなと思っています」とも説明していた。

 また、神戸対鹿島戦では、39分、鹿島のレオ・シルバが仕掛けて、抜ければビッグチャンスになる……ところで芝に滑り転倒したダンクレーが顔を覆った右手にボールが当たった。手でボールを”タックル”した形になり、レオ・シルバはボールをコントロールできず、チャンスをフイにした。ここでも、主審はハンドの反則を取らなかった。

 扇谷氏はこのシーンも、「ノーハンド」で問題ないと説明した。

「自然と体を守っていた。(故意に)ボールをブロックする、ということではなかったと思います。また、どうしてもスローモーションのVTRで見ると、より行為が悪く見えてしまう。そこは(VARを含め)気を付けなければいけない点だと思います。またレフェリーはポジションがよく、しっかり全てを確認したうえで判断しているので、ノーハンドでいいと思います」

 確かに、いずれも問題なく、ルールにのっとった判定だったと言える。

 しかし一方、例えば1月のアジアカップ決勝、日本の吉田麻也のハンドのファウルでカタールにPKが与えられたように、本人が決して意図していなくても、ペナルティエリア内で手を出している時点で”故意”とみなされるケースも多い。

 海外ではサッカーの原則である「ボールを手で扱わない」ことがより重視されている傾向があり、そのあたりをどのように擦り合わせていくのか。ファンにとっても、そのあたりの「温度差」は気になっているところ(今回取り上げられたケースは、いずれの判断も妥当な感じはするが)。スタンダードを「守る」ことも大切かもしれないが、世界の状況を見極めながら対応していく柔軟さも(それを伝えることを含め)、審判部には求められるかもしれない。

文:サカノワ編集グループ

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