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【日本-チリ】あえて4バックで先発予想…久保、前田、三好の同時起用などメリットも

チリの3トップに3バックは不利? 試合中の布陣変更のほうが効果は大きいか。

[コパ・アメリカ GS①] 日本 – チリ/2019年6月18日8:00(日本時間)/シーセロ・ポンペウ・デ・トレド

 日本代表がコパ・アメリカ(南米選手権)のグループステージ初戦、チリ代表との一戦に臨む。過去の対戦は日本の1勝1分、4得点0失点。いずれも2008年(△0-0)、2009年(〇4-0)の親善試合であり、10年ぶりの対戦となる。6月に更新されたFIFAランキングは日本が28位、チリが16位。

 今回の日本代表23人は東京五輪世代(U-22日本代表)を中心に構成され、そのU-22日本代表はこれまで3-4-2-1を基本布陣にしてきた。同チームの指揮も兼任する森保一監督は、日本代表でも先のキリンチャレンジカップ6月シリーズ2試合で3バックを初めて導入。その一連の流れで、チリ戦でも3-4-2-1でのスタートが有力視される。

 ただ指揮官は3バック採用を明言していない。

 実際、4バックで臨む可能性もあり得る。

 まずチリ代表は、3-4-3で臨んでくることが予想される。基本的に日本の3-4-2-1と形としてはほぼ同じである。

 そうなると、各ポジションでマッチアップが生じる「ミラーゲーム」の構図となる。つまり、対面の選手をマークする、ことが大切なシチュエーションだ。

 しかし、それでは森保監督が3バックを用いる最大の狙いである、「相手のギャップを組織的に突いて数的優位を作り出す」――という展開に持ち込みにくくなる。

「ミラーゲーム」は、相手を個の力で上回れる自信がある時(マッチアップで目の前にいる相手を打ち負かす)、または逆に守備に軸足を置いて相手の長所を消す(ひたすらマッチアップで相手を止め続ける)ことを重視する時、そのいずれかで効果を発揮する。

 が、森保監督は今回、日本の組織力を生かし真っ向勝負を挑みたいはず。となれば、4バックの採用もあり得るし、むしろプラスの面も多く浮かんでくる。

 チーム事情によりキリンチャレンジカップ6月シリーズに臨めなかった植田直通と、冨安健洋の両センターバックは、基本的に4バックで力を発揮するタイプ。サイドには、3バックのウイングバック、4バックのサイドバック、いずれも対応できる選手が揃っている。

 そして4バックにすることで前線にタレントを一人割けられるので、Jリーグで絶好調だった久保建英と三好康児の同時起用も可能になる。そこに中島翔哉が絡んだ攻撃は、地球の裏側で一泡吹かせてくれそうな、なんとも見てみたいユニットだ。”豆タンク”渡辺皓太、ドリブラー伊藤達哉、攻撃面で変化を付けられる安部裕葵も組み込みやすい。

 また、久保は世代別代表でFWとしてもプレーし、多くの得点に絡んできた。前田大然と2トップを組み、コンビでゴールに近い位置で仕事をさせる、というのも現実的な策になる。

 そして、日本代表のエルサルバドル戦で「あえて対応力を試した」と、森保監督は試合中に3バックから4バックへの変更を試している。試合が膠着状態に陥った時、あるいは流れに変化を付けたい時、そこで3バックを用いるほうが、より効果を発揮するとも言える。

 もちろん、U-22日本代表をベースに培ってきた3バックがどれだけ通用するのか。チリに挑むことで現在地が見えてくるとも言える。

 3バックと4バックの使い分け。大会を通して、その布陣の選択もまた大きな関心事になってきそうだ。

 コパ・アメリカの日本代表メンバーとグループステージの日程は次の通り。

▽▽日本代表メンバー
GK 
1 川島永嗣 (RCストラスブール/フランス)
12 小島亨介(大分トリニータ)※ 
23 大迫敬介(サンフレッチェ広島)
DF 
5 植田直通(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー) 
4 板倉 滉(FCフローニンゲン/オランダ)※ 
19 岩田智輝(大分トリニータ)※
22 立田 悠(清水エスパルス)※
14 原 輝綺(サガン鳥栖)※
2 杉岡大暉(湘南ベルマーレ)※
15 菅 大輝(北海道コンサドーレ札幌)※
16 冨安健洋(シントトロイデンVV/ベルギー) 
MF 
7 柴崎 岳(ヘタフェCF/スペイン) 
10 中島翔哉 (アルドゥハイルSC/カタール) 
3 中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)
11 三好康児(横浜F・マリノス)※ 
8 伊藤達哉(ハンブルガーSV/ドイツ) 
17 松本泰志(サンフレッチェ広島)※
6 渡辺皓太(東京ヴェルディ)※
20 安部裕葵(鹿島アントラーズ)※
21 久保建英 (FC東京)
FW 
18 岡崎慎司 (レスター・シティー/イングランド) 
9 前田大然(松本山雅FC)※
13 上田綺世(法政大)※
※は日本代表初選出

▽グループステージ 
※日本時間(いずれも現地時間は、前日20時開始)

vs チリ代表 
6月18日(火) 
8:00キックオフ 

vs ウルグアイ代表 
6月21日(金) 
8:00キックオフ 

vs エクアドル代表
6月25日(火) 
8:00キックオフ 

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