開幕3連勝スタート、広島の城福監督が始動直後に心揺さぶられた「選手が生まれ変わろうとする”真摯”な姿」

札幌のペトロヴィッチ監督と談笑する城福監督(左)。(C)SAKANOWA

「彼らとともに、もう一度、新しいものを纏うために、自分もいろいろな経験をしてきたのだと思えています」

 サンフレッチェ広島がJ1リーグ開幕3連勝を果たし、3節終了時点とはいえ首位に立っている。昨季はリーグ初勝利まで6試合かかり、最後は15位に沈んだだけに、さっそく大きな変化が結果として表れていると言える。

 今季就任した城福浩新監督は2月に開催されたキックオフカンファレンスで、チーム始動直後に選手たちの表情を見たときのことを次のように振り返っていた。もがき苦しんだ昨シーズンの現実を受け止め、這い上がってみせるという強い覚悟を感じ取ったという。

昨季の最後の3試合、広島は他チームが負けてくれなければJ1に残留できないという他力本願の状況でした。状況は異なるものの、(甲府時代に)私も残留争いを味わい、その苦しさは少なからず分かっていました。その難しい状況を経て、15位に終わった。その結果を真摯に受け止めている彼らがいました」

 Jリーグを制覇した過去の栄光に捉われず、『15位からの再スタート』と、しっかり現実と向き合っている。その広島の選手たちの姿勢に、指揮官自身も責任の重大さを改めて痛感した。

「もちろん優勝争いをしたいですけれど、まず、どうやって生まれ変わるのか。そう自問自答している彼らがいました。そういった意欲に、僕はポジティブな状況だと感じました」

 そのように語る城福監督自身も、富士通(現・川崎フロンターレ)やU-17日本代表を率いときをはじめ、2008年から10年と16年のFC東京、12年から14年のヴァンフォーレ甲府での監督時代、さまざまな修羅場に直面してきた。2年目ぶりの現場復帰。再生を誓う広島から声を掛けられたことに、ある意味、運命をも感じたという。

「たくさんの経験を積んできました。ただ、ここで彼らとともに、もう一度、新しいものを纏(まと)うために、自分もいろいろな経験をしてきたんだと思えています。そんな時間を広島で過ごしたいです」

 シーズンはまだ始まったばかり。選手たちも「結果は残せているが、まだまだ内容はこれから」と口を揃える。ただ、城福監督と選手が発する情熱が、しっかりピッチの戦いに向けられていると、現場に立つ者が感じ合えている。そのベースにあるのは、サッカーと真摯に向き合う――その基本スタンスだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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