【浦和】古巣の鹿島優勝…安部裕葵は復活のシーズンを締めくくる有終アシスト
浦和の安部裕葵。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
レッズの力になっていることを証明。クールに振る舞い、トドメのイサーク弾を引き出す。
[J1 38節] 浦和 4–0 川崎 / 2025年12月6日14:04 / 埼玉スタジアム2002
J1リーグ最終38節、浦和レッズが4―0で川崎フロンターレに快勝し、クラブ・ワールドカップ(クラブW杯)にも挑んだ2025シーズンを締めくくった。
今季二度目のメンバー入りを果たした安部裕葵は74分、中島翔哉に代わって途中出場した。すると3分後、左サイドを崩してイサーク・キーセ・テリンのチーム4点目のゴールをアシストしてみせた。
ピッチに立った瞬間から、安部は随所で持ち味であるアジリティを生かし、川崎陣内で攻撃を牽引。前を向くことで相手のラインを一気に押し下げる推進力を見せた。安部本人は「もともと得意にしているプレー。ある程度時間もあったので、やりやすかった」と淡々と振り返った。
この日は基本的には、ゲームを締める役割に徹していたそうだ。
「追加点よりも、ゲームを落ち着かせることを考えていました。リスクのあるスルーパスや前にどんどん行くというより、ボールを保持する時間を長くして、ゆっくり陣地を回復するプレーを意識していました」
ところが、そのようにクールに振る舞いつつも、試合を決定づける4点目をもたらすしたたかさがあった。左サイドからのアーリークロスで、トドメのテリン弾につなげた。
「イサークのことはあまり見ていませんでした。キーパーとディフェンダーの間に強いボールを通すことだけを考えていました。最悪、そのまま流れてスローインでもいいくらいの塩梅で、とにかく強いボールを蹴りました」
マチェイ・スコルジャ監督は交代出場する選手にも「勝つための守備」を強調する。安部はその要求を理解し、「3―0だったので追加点は考えていませんでした」と言う。
また、安部はこう今季を総括していた。
「レッズは7位。それではダメだと思います。もっと頑張ろうと思います。(来季に向けて)シナリオは立てない。ストレスも溜まるし、いろんな人を振り回してしまうので。やれることをやっていくだけです」
鹿島アントラーズや年代別の日本代表で背番号『10』をつけて、結果を残してきた。やはり持っている武器は光るものがあり、他にはない輝きを放つ。
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