DFリーダー橋岡大樹が馳せるU-20W杯への思い「本当にいいチーム。来年につなげる」
U-19日本代表の橋岡大樹。(C)AFC
みんなで食事をしていても、自然とサッカーの話に。
[U-19アジア選手権 準々決勝] 日本 – インドネシア/2018年10月28日現地19:30(日本時間21:30)/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム/ジャカルタ
U-19アジア選手権に出場しているU-19日本代表のDF橋岡大樹(浦和レッズ)に10月26日、これまでの戦いぶりともに、これからについて話を聞いた。
28日夜には準々決勝のインドネシア戦を迎える。勝てば来年のポーランドU-20ワールドカップ(W杯)出場権を獲得し、負ければチームは解散。まさに生きるか死ぬかの一戦。「本当にいいチーム。だからここで終わらせるわけにはいかない」と、橋岡はこの1勝の先に広がる未来に思いを馳せる。
橋岡との一問一答をまとめた。
――これまでのU-19アジア選手権、まさに真剣勝負という緊張感が伝わってきます。橋岡選手は北朝鮮(〇5-2)、タイ戦(〇3-1)とフル出場し、スタンドにも届くほどの声でチームをまとめていたのが印象的でした。
「タイ戦は、勝てば決勝トーナメント進出が決定する状況だったので、勝利することをまず考え、やるべきことに取り組みました。その一つが声を出し、チームをまとめる役目。そこを果たせましたが、ちょっと後半途中に間延びしたところは修正が必要だと感じました。そこも山田選手(康太、横浜F・マリノス)と話し合い、状況に応じて対応できました」
――今大会、「チームの中心としての自覚を持ってプレーしたい」ということを強調されてきましたね?
「このチームの発足時からずっと選ばれ、二つ上の世代の代表にも呼んでもらえました。Jリーグの試合にも出場してきました。そういった選手の一人である自分が、引っ張っていかなければと思ってやっています。ただ、僕のみならず、みんながそういった気持ちになっていかないといけないとは思います」
――U-19日本代表の影山雅永監督によると、いろいろなところで選手間のディスカッションが行われていて、そんなところからも向上心が感じられるという話を聞きましたが?
「食事のときでも、部屋に集まっているときでも、自然とサッカーの話が出てきます。そんなところからも、みんながこの大会に懸けている強い気持ちが感じられます。それがいつも自然とできている。それがチームの雰囲気の良さや一体感にもつながっていると思います」
――ちょっと余談ですが、話し方や言動が、浦和のチームメイトである槙野智章選手から少し影響を受けている感じを受けます。
「そうですか! どんなところがですか?」
――歯切れよく答えられるところや、基本的に肯定から入り、客観と主観の目を分けて整理して話されたりするところとか。
「なるほど……いや、正直、ちょっと嬉しいっす(照笑い)」
――槙野選手は2006年のインドU-19アジア選手権に出場し、2007年のカナダU-20W杯の出場権を獲得しています。U-20W杯でもベスト16入りを果たしました。出発前、槙野選手から何かアドバイスなどは受けました?
「この大会の勝ち方を知っている方です。みんな一丸となること。ベンチにいる選手、試合に出らない選手を含めて、一つになることが勝つための条件になる。それが長い期間の大会では肝になってくるという話をしてくれました」
完全アウェーのインドネシア戦。日本が怖いのはレッドカードのようなアクシデントか。
――現在21歳以下のいわゆる東京五輪世代にはいろいろなタイプのセンターバックが揃っています。さらに昨年のU-20W杯出場組のCB冨安健洋選手は、A代表にも選ばれています。同世代の活躍をどのように受け止めていますか?
「冨安選手と堂安選手がA代表に選ばれたことは、少なからず『すごいな』という気持ちもあると同時に、僕も(A代表に)選ばれたいという気持ちも強くなっています。追い付いていかないといけない。そのためにも一つひとつの練習と試合が大事になってくるので、一歩ずつ成長していきたいです」
――勝てば来年のU-20W杯の出場権獲得が決まるインドネシア戦。どのような気持ちで臨みますか?
「インドネシアで開催されている大会ですし、アウェー一色の雰囲気に包まれるでしょう。それでも、僕らはしっかり戦うことができると信じていますし、良さを必ず出せるチームだと思っています。僕自身、ずっと選ばれてきて、本当にいいチームだと思っています。コーチ、スタッフ、チームメイト……みんなが一つになっています。絶対にここで終わらせたくない。負けたら解散です。U-20W杯に出て、そこで良い結果を残したい。来年までつなげるためにも、みんなで一丸となって戦いたいと思います」
――完全アウェーの中、ある意味、日本にとって怖いのは、一発退場などのアクシデントかもしれません。気を付けたいですね。
「そのファウルをビビっているようだったら、僕はたぶん、プレーできません。イエローカードやレッドカードをもらうようなプレーはいつもしていないので、そこは大丈夫だと思っています。だからこそ、いつも通り、ビビらず正々堂々と闘いたいと思います!」
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI