【中東情勢】トランプ大統領イラン停戦合意も、イスラエルが抱えたままの“二つの不安”とは?
アメリカのドナルド・トランプ大統領。写真:ロイター/アフロ
現地メディアが報じる
アメリカのドナルド・トランプ大統領が「一つの文明が滅びる」とSNSで発信してから数時間後、イランとの間で2週間の停戦合意を取り付けた。トランプ大統領は「ホルムズ海峡の即時開放」を条件に挙げ、軍事的緊張の回避に動いている。しかし、この「一時休戦」に対し、イスラエル側では冷ややかな分析が広がっている。
イスラエルメディア『イェディオト・アハロノト』は4月8日、今回の合意でトランプ大統領は二つの即時的な成果を得たと報じた。一つは世界的な原油価格の下落、もう一つは米中間選挙を前にした反戦世論の沈静化だ。
しかし、その代償を払わされているのはイスラエルであると同紙は指摘する。イスラエルが抱えることになった「二つの不安」は深刻だ。
第一に、レバノンにおける対ヘズボラ作戦の中断を余儀なくされたこと。イスラエル国防軍(IDF)はヘズボラの無力化を目指して攻勢を強めていたが、停戦によって敵側に再編と再武装の猶予を与えてしまうことになった。
第二に、経済制裁の拙速な緩和への恐れだ。イスラエルは、トランプ大統領が合意を優先して制裁を緩めれば、イランが軍事力と代理勢力を立て直す資金を得てしまうことを強く警戒している。
事実、停戦発表後もイランはイスラエル中部に向けてミサイルを発射しており、国内向けに「屈服していない」姿勢を誇示し続けている。また、核兵器10個分に相当する濃縮ウランは依然としてイランの手元にあるとされ、根本的な解決には至っていない。
トランプ大統領は「革命的に素晴らしいことが起こるかもしれない」と楽観的な姿勢を崩さないが、イスラエル当局は国民に対し、タンカーが海峡を自由に航行するまではシェルターから出るべきではないと警鐘を鳴らしている。
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