【アビスパ福岡】育成組織でウェア盗難の疑い。15件発覚「なくなっている」「盗まれている」

アビスパ福岡のエンブレム (C)SAKANOWA

前監督のハラスメント問題をきっかけに調査

 J1リーグのアビスパ福岡は5月29日、クラブ内およびアカデミーにおけるコンプライアンス事案の調査結果と再発防止策を公表した。金明輝前監督によるパワーハラスメント問題をきっかけにクラブ内で調査を進めた結果、育成組織内でトレーニングウェアなどの紛失・盗難の疑いが複数確認されていたことも明らかになった。

 クラブは5月28日に西野努代表取締役社長が出席して記者会見を実施し、議事録を公開。トップチームでのハラスメント事案だけでなく、アカデミーを含めた運営上の不備についても説明した。

 そこで問題視されたのが、クラブハウス周辺で発生していたウェア類の紛失事案だ。アカデミー活動時、グラウンド横の公共スペースに荷物を置くケースがあり、保護者へのアンケート調査では125件の回答のうち15件で「なくなっている」「盗まれている」といった申告が寄せられた。

 西野社長は会見で「トレーニングウェア等の紛失、もしくは盗難の可能性もある」と説明。一方、現時点で被害届の提出や詳細な追跡調査は行っておらず、「これ以上の追求というよりは、予防する、起こらないようにすることに注力している」と語った。

 今回の全件調査は、前監督のハラスメント問題を受け、クラブ内スタッフやアカデミー関係者、保護者へのアンケート、第三者弁護士によるヒアリングなどを通じて実施された。その過程で、複数の不適切事案も発覚している。

 アカデミーでは、2025年2月のタイ遠征中にU-11チーム17人のうち14人が食中毒症状を発症していたにもかかわらず、経営陣への報告が行われていなかった。また、脳しんとうの疑いがある選手を病院へ搬送せず、そのままチームバスで帰していた事案も確認された。

 さらに、2024年3月から2026年2月末までの間、選手を乗せた車両が高速道路で時速120キロを超えて走行したケースが延べ108回確認された。クラブは運転していたアカデミースタッフ8人を戒告処分とし、全19人に厳重注意を科している。

 西野社長は「子どもの安心・安全に直結する事項」と重く受け止めていると強調。再発防止策として、外部・内部双方の相談窓口設置、ハラスメント防止規程の新設、月1回のパルスサーベイ(スタッフの心身状態などを定期確認する調査)実施などを進めている。また、アカデミーでは交通安全講習や脳しんとう講習、セーフガーディング研修なども継続的に行う方針だ。

 クラブは「失った信頼を一日も早く取り戻せるよう、クラブ一丸となって再発防止と体制強化に取り組む」としている。

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