【現地取材】オランダ代表FWマレンの脅威。日本が警戒すべき“2タッチで呆気なく決めきる男”

オランダ代表のマレン。写真:ロイター/アフロ

ドリブラーからは変化。ドルトムント時代に見せた一級品のアジリティ

[北中米W杯 GS第1戦] オランダ – 日本/2026年6月15日5:00(現地14日)/ダラス・スタジアム

 FIFA北中米ワールドカップ(北中米W杯)グループステージ(GS)第1戦、サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が6月15日午前5時から、オランダ代表と対戦する。

 オランダのスターティングメンバーの注目の一つが、FWドニエル・マレン(Donyell Malen、ASローマ)の起用法だ。

 ボルシア・ドルトムント時代は前線のさまざまなポジションで起用されていったなか、右ウイングに定着すると爆発し、ローマへ移籍。するとローマではセンターフォワードで昨季14ゴールと結果を残し、オランダ代表でも3トップの中央を担ってきた。

 27歳のアタッカーは堂安律ともチームメイトだったPSVアイントフォーヘン時代、サイドを切り裂くドリブル突破から数多くのチャンスを作り出していった。

 そしてドルトムントでは、よりゴールに近い位置でボールを受ける機会が増加。一瞬のスピードをより生かし、ボックス内でボールを受ければ、数タッチでフィニッシュへ持ち込むようになっていった。

 記者は2025年11月5日にジグナル・イドゥナ・パルクで行われたUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第4節のドルトムント対シュトゥルム・グラーツ戦を取材した。ホームのドルトムントが優勢ながら得点を奪えずスコアレスで迎えた後半途中、マレンが交代出場して右サイドに入った。

 すると85分、左からのセール・ギラシのスルーパスを受けると右足でシュートを突き刺し、これが決勝点となった。

 圧巻のゴールではなく、インパクトのあるゴールとも言えなかった。ドルトムントが押せ押せではあったが、時々ある「あ、決まった……」という類いの一瞬でチャンスを決め切った得点の一つだった。

 ロベルト・クーマン監督がCFでマレンを起用してきたのも、まさに、そんなウイングなどからのパスやクロスを冷徹かつ短時間でフィニッシュまで持ち込める、そんな“瞬間的な勝負強さ”を評価してきたに違いない。実際マレンの近年のゴールシーンは、ツータッチ以内がほとんどだ。

 ただ、W杯出場国の強度のあるDF陣やゴール前を固めてきた相手には、やや手こずっている印象で、最近は得点できずにいる。

 日本戦はクーマン監督が「調子を最高レベルに上げてきた」と評価するメンフィス・デパイがCFで先発し、マレンが右ウイングに回る可能性もある。

 左ウイングのコーディ・ガクポのカットインからのショットも警戒が必要だが、さらにはガクポ→マレン(あるいはその逆)の展開からの一級品のアジリティを駆使したワンタッチ、ツータッチで持ち込むフィニッシュには警戒したい。

 豪快なシュートではなく、ある意味“呆気なく”決めてしまう。そんな冷徹な仕事ぶりを発揮させないこと(とはいえ、ドリブル突破も怖い!)。勝点3獲得に向けて、それが日本代表の3バックと左ウイングバックに求められるミッションになる。

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Posted by 塚越始