なぜ遠藤航とキエーザがリバプールの欧州CL登録から外れた? UEFA独自の「リストB」が影響
遠藤航 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
プレミアリーグでは全試合にベンチ入りしているが――
イングランド・プレミアリーグのリバプールFCが9月3日、2026-27シーズンのUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズに臨む登録メンバーを決定し、日本代表からの引退をこのほど発表したMF遠藤航とイタリア代表FWフェデリコ・キエーザがメンバーから外れた。現地メディアでも、この二人の登録外が大きく取り上げられている。
ただし、二人がリバプールの構想から完全に外れたというわけではない。
リバプールは同時期に提出したプレミアリーグの25人の登録メンバーには、遠藤とキエーザをともに含めている。クラブ公式サイトでも二人の名前が確認できる。遠藤は開幕からプレミアリーグの全試合でベンチ入りしている。
では、なぜCLでは外れることになったのか。
背景にあるのが、プレミアリーグとUEFAで異なる選手登録のルールだ。
プレミアリーグでは2026-27シーズン、2005年1月1日以降に生まれたU-21の選手は25人の登録枠に含める必要がない。そのため、リバプールは若手選手を25人枠の外で起用できる。
一方、UEFAの大会では「リストA」と「リストB」という異なる登録制度が採用されている。
UEFAの規則では、リストAは最大25人。そのうち最低8枠が「locally trained players(地元育成選手)」のために確保される。また若手だから自動的にリストBへ入れるわけではなく、2005年1月1日以降生まれで、15歳以降に現在のクラブで原則として連続2年間プレーするなどの条件を満たす必要がある。
この違いがリバプールの選手登録に影響した。
現地メディアによると、21歳のジェレミー・ジャケと19歳のジョバンニ・レオーニはプレミアリーグではU-21扱いのため25人枠を使わないものの、UEFAの「リストB」の在籍期間に関する条件を満たさないため、CLで起用するには「リストA」への登録が必要になった。一方、トレイ・ナイオニやリオ・ングモハは在籍期間の条件を満たし、「リストB」で登録できる。
その“しわ寄せ”を受ける形で、遠藤とキエーザがCLの登録枠から外れた。
しかも意外なのは、長期離脱中のFWウーゴ・エキティケが登録されていることだ。リバプール公式サイトによると、エキティケは4月にアキレス腱を断裂。アンドニ・イラオラ監督は9月3日時点で、復帰は9月から10月にかけての代表活動期間よりも「さらに後になる」と見通しを示している。
それでもエキティケを登録し、遠藤とキエーザを外した形になる。
キエーザもプレシーズンに負傷しており、リバプールによると9月後半にチーム練習へ復帰する見込みだ。一方、遠藤については現地メディアが、プレシーズンから負傷の回復過程にあり、チーム内では他の選手が優先される状況にある。
つまり今回の登録外は、単純に「遠藤とキエーザが戦力外になった」というわけではない。UEFA独自の登録制度によって若手選手にもAリストの枠を割く必要が生じ、限られた枠のなかでリバプールが選択を迫られた側面が大きい。
では、遠藤が今季のCLに出場する可能性はなくなったのか。リーグフェーズ中は、フィールドプレーヤーを自由に入れ替えることはできない。一方、リバプールがノックアウトフェーズに進出した場合、UEFAの規定に基づき、新たに最大3選手を登録できる。そのタイミングで遠藤が「リストA」に加われば、決勝トーナメントでプレーすることは可能だ。
CLの大舞台から外れた今回の決定は、33歳となった日本代表MFにとって、リバプールでの現在の立ち位置を改めて突き付けるものにもなった。
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