大腸がん告白の松本人志さん再入院で広がる「誤解」。専門医が警鐘を鳴らす、元の生活にすぐ戻れるとは限らない
ダウンタウンの松本人志さん。写真:AP/アフロ
押川勝太郎医師がYouTubeで分かりやすく解説
がん治療医の押川勝太郎医師が9月15日、自身のYouTubeチャンネル「がん防災チャンネル・現役がん治療医・押川勝太郎」で、大腸がんを公表した松本人志さんが人工肛門(ストーマ)を戻す手術を受けるため再入院することについて解説した。
松本さんはSNSの動画で順調に回復しており、腸を元に戻す手術を当初の想定より早く受けられる見通しになったと語ったという。手術は約1時間、入院は約1週間と説明されており、収録への支障をなくすため、ストーマを戻すことを優先する意向を示している。
これに対し、押川医師は「問題は、収録に支障がなくなるというのが果たしてどうだろうかというところ」と指摘した。ただし、松本さん本人への意見や助言ではなく、有名人の発信を通じて一般の人が抱きやすい誤解を解くための解説だと強調している。
人工肛門を閉鎖して腸をつなぎ直しても、すぐ以前と同じ排便機能に戻るとは限らない。便が流れていなかった腸は機能が低下しているため、手術後しばらくは激しい下痢や頻便が起こり、何度もトイレに行かなければならない場合があるという。
押川医師は、人工肛門を比較的早い段階で戻せる点は回復に有利としながらも、術後の排便障害が番組収録などの仕事に影響する可能性を挙げた。
「人工肛門を元に戻したら、普通の前の生活に戻れるという印象が世間一般に広がると困るので、このあたりは修正させていただきます」
時間の経過とともに腸が新たな排便リズムを学習し、3か月から半年ほどで症状が落ち着くケースは多いそうだ。一方、直腸を切除している場合、便をためる機能の低下により、頻便や便意の切迫、便漏れなどが長期間残る可能性もある。
症状には食事や薬、骨盤底筋のリハビリなど複数の対処法がある。状態によっては再びストーマを選ぶことで生活の質が改善する場合もあり、それは決して消極的な選択ではないとも強調した。
押川医師は、ストーマを外せば直ちに元の生活へ戻れるとは限らないものの、時間とともに改善する可能性も十分あると主張した。大切なのは術後に起こり得る変化を理解し、それぞれの生活や仕事を守るために適切な方法を選ぶことだと説明。あわせて、定期的な検便の重要性も改めて訴えている。
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