【カタール戦先発決定】史上初の「全員海外組」で5度目のアジア制覇に挑む
ボランチが遠藤から塩谷へ。権田のポルティモネンセへの移籍が決まり、先発全員海外組に。(C)SAKANOWA
10か国のメンバーでスタメン構成。柴崎のセットプレー、塩谷のミドルを生かしたい。
[アジアカップ 決勝] 日本- カタール/2019年2月1日18時(日本時間23時)/シェイク・ザーイド・スタジアム
アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のAFCアジアカップ2019、日本代表がカタール代表との決勝に臨む。現地時間の18時、日本時間の23時キックオフ。日本が勝てば2大会ぶり5度目、カタールが勝てば初めての優勝となる。
FIFAランキングは日本が50位、カタールは93位。AFC内では日本が3位、カタールが13位。国際Aマッチの通算成績は2勝4分2敗、10得点10失点の五分。ただし敗れた2敗はいずれも80年代で、94年以降、日本は一度も負けていない。
日本の先発メンバーが発表され、準決勝で大腿部を痛めた遠藤航が外れ、代わって塩谷司がボランチで起用される。同じくケガで途中交代した酒井宏樹だが、この試合には間に合った。
準決勝のイラン戦翌日の1月29日に権田修一のサガン鳥栖からポルトガル1部のポルティモネンセへの移籍が決定。今回日本代表として史上初めて、海外組のみによる先発が実現した。
海外組の所属先の国は、トルコ、フランス、イングランド、ベルギー、スペイン、オランダ、ドイツ、オーストリア、ポルトガル、アラブ首長国連邦(UAE)の10か国。ブンデスリーガから大迫勇也(ブレーメン)、原口元気(ハノーファー)の二人が先発。
一方、カタールで警戒すべきは、アリ・ダエリ(イラン代表)の大会最多8得点と並んだエースストライカーの19番、アルモエズ・アリ(アル・ドュハイルSC)だ。22歳のストライカーは身長188センチの高さと強さとともに、抜群のスプリント力も備え、一瞬でゴール前の限られたスペースを打開してしまう。日本のセンターバック冨安健洋には、イラン戦のサルダル・アズムンに続いて強力なエースを止めるミッションが課される。
準決勝のUAE戦、カタールのクロス成功数はゼロ本(2本中)だった。ボールポゼッション率49.2パーセント、パス数451本とボールを保持しながら、前線の3トップの爆発力を生かす「地上戦」を主体としている。
酒井と長友佑都によるサイドでのマッチアップの攻防も鍵を握る。彼らがボールを奪えれば、そこから逆襲の起点にもなれる。
カタールはこれまで6試合、日本も決勝トーナメントに入ってから3試合無失点と、両チームともに守備が安定している。ただチーム全体の連動性や意思の統一感は、準決勝の段階では、日本のほうがクオリティの面で高かったと感じられる。
もちろん2022年のワールドカップ開催に向けて、急成長を遂げるカタールだ。この試合を、さらに突き抜けるための分岐点と捉えている。
日本としては現実的に、ボールを保持しながら試合をコントロールし、大迫勇也をはじめ前線にパスを入れたあとにスピードを上げ、カタールゴールを攻略したい。守備時にはプレッシングを含めて共有意識を持ちたい。また柴崎岳のキックから、冨安と吉田らの高さを生かしたセットプレーも効果的だ。
そしてアル・アインでプレーする塩谷はたくさんの声援を背中に受けて戦うことになる。グループステージ3節のウズベキスタン(〇2-1)に続き、そのミドルレンジからの一撃を、ぜひ見せてもらいたい。
日本の決勝の先発は次の通り。
□日本代表
SAMURAI BLUE
GK
12 権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)
DF
5 長友佑都 (ガラタサライ/トルコ)
16 冨安健洋 (シント=トロイデン/ベルギー)
19 酒井宏樹 (マルセイユ/フランス)
22 吉田麻也 (サウサンプトン/イングランド)
MF
18 塩谷 司 (アル・アイン/UAE)
7 柴崎 岳 (ヘタフェ/スペイン)
8 原口元気 (ハノーファー/ドイツ)
9 南野拓実 (ザルツブルク/オーストリア)
21 堂安 律 (フローニンゲン/オランダ)
FW
15 大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
文:サカノワ編集グループ