なぜ湘南は走るのか? 梅崎司が自省した足りなかったゴールに向かう姿勢
湘南の梅崎司。(C)SAKANOWA
磐田に流れが完全に行っていたわけではなかっただけに…。
[J1 6節] 湘南 0-2 磐田/2019年4月6日/Shonan BMWスタジアム平塚
湘南ベルマーレのMF梅崎司はジュビロ磐田戦、3試合連続でスターティングメンバーに名を連ね、チームも3連勝を狙った。しかし一瞬の隙を突かれる形で後半に2失点を喫して、チームは1点も奪えず敗れてしまった。
梅崎は3-4-2-1の左シャドーで65分までプレーし、齊藤未月と交代。前節の清水エスパルス戦(〇3-1)は3本のシュートを放っていたものの、この日はシュートゼロに終わってしまった。
先発選手の入れ替えも少なからず影響したとはいえ、誰が悪いというわけでもなく、全体的にチグハグで、相手に合わせるようになって、しかも敗れてしまう。湘南が時々陥る悪いパターンにハマってしまった。
梅崎は試合後、この敗戦を自身の責任だと受け止めていた。
「良くはなかったです、チームとしてもですが、特に個人として。しっかりリズムを作れませんでした。ボールを収めて、展開するのか、仕掛けていくのか。アクションが乏しかったし、簡単なミスも多かったです。磐田に流れが行っていたわけでもなく、どっちつかずになっていて、そのなかでリズムを作りたかったですが……。判断のところでまだまだ。もっと良くしていかないといけない」
流れを取り戻そう、ペースを握ろう……。そういったことを考えていたが、最も大切な「ゴールを奪うこと」に、まずフォーカスしきれていなかったのではないか。梅崎はそう感じていた。
「上手くやろうとしたところが、自分の中ではありました。ただ、もっと前へ勝負していく姿勢を常に持っているかどうかで大きく違ってきます。そういう意味では、もっと前向きなメンタリティを持つことが大事だと感じました。ちょっと局面ごとに、上手くやってチームを作ろうというところが強かったかなと思いました。常に(ゴールを)狙い続けているかどうか、そこをやはり大事にしないといけない」
曺貴裁監督のもと、攻守に絶え間なく切り替えて連動し合い、仲間をフォローし、仲間がフォローに来ると信じて駆け上がる。
なぜ、湘南は走るのか? その戦術はゴールを奪うため、勝利のためにある。
ゴールからの逆算であり、より多くのチャンスを作り出すことが、まず戦術の前提にはある。浦和レッズから加入し湘南で2シーズン目を迎えた梅崎は、チームとして、彼自身として、改めて湘南スタイルのもと、ゴールに向かう迫力や鋭さを追求する大切さを感じ取っていた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI