浦和が掴んだ「攻撃的な守備」。青木拓矢―武藤雄樹ラインからゴールも生まれる
浦和は中盤を支配して北京国安を無失点に抑えることに成功。浦和の青木拓矢はボランチでフル出場。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
手応えを得た青木は「もっと良くなっていける。これを最低限に」。
[ACL GS6節] 浦和 3-0 北京国安/2019年5月21日19:00/埼玉スタジアム2〇〇2
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ(GS)6節、浦和レッズのMF青木拓矢が北京国安戦、ブラジル代表レナト・アウグストのアタックを身を挺して食い止めるなど、中盤を引き締めて”完勝”に貢献した。チームとして機能した、良い守備が良い攻撃を生むという、プレッシングからの連動性。青木も「攻撃的な守備ができた」と手応えを得ていた。
最前線からマークをハメていき、それぞれ誰が誰を見るかを決める。もちろん、そこを剥がされることもあるが、そこからスライドするなど、全員でフォローし合う。そんな守備がしっかり噛み合い、ボールを奪えればチャンスに持ち込めた。
「状況によって後ろからも(前へ向かう守備が)行けていました。攻撃的な守備ができでいたと思います。エヴェがサイドまで行くのは良い時と悪い時がありましたが、結果的には良かった。ただ、もう少し使い分けを明確にできるように、少し話し合っていきます。二人それぞれの感覚もあるので、擦り合わせていきたいです」
もちろんただ闇雲にプレスを掛けに行ったわけではなく、『行かなくていいだろう』という時と『行くべき時』を考えながらやっていました。それで、抑えるべきところは抑えられたのかなと思います」
その流れの中で、長澤和輝の先制点は、青木から武藤への縦パスがスイッチとなって、生まれたものだった。
「昨シーズンから、武藤くんにパンと当てればチャンスになることが多かったので、そこは狙っていました。(パーフェクトと言えたのでは?)ここから、もっと良くなっていきます。最低限、これぐらい戦えて、走れて、にしないと。(ターンオーバーで)多少休ませてもらえたのも大きかったです」
つい最近までの停滞感のある内容から、一体何が変わったのか。
「体が多少重い時もありました。また、今までは、どうしても引いているだけの守備、という感じになってしまっていました。『ここにも、ここにも相手選手がいる』となるとやはり難しい。今日はそのあたりを明確にできたことで、僕もプレスへ行けた部分はありました。良いボールの取り方ができて、みんなのいる位置が良くて、良い守備から良い攻撃につなげられていました」
もちろん、ここからはパフォーマンスを一定化させて、勝利を積み重ねることが求められる。
「だからこそ次(リーグ13節のサンフレッチェ広島戦)が大事です。最低限、これぐらいはやれないと」
快勝を収めたなか、いくつかの課題が見えたこともむしろ収穫に挙げられる。この日のプレー同様、青木の言葉は常に”前向き”だった。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI