【浦和】大槻毅新監督が決意「オールバック?鼻で笑われるだけ」
就任記者会見を行った浦和の大槻毅監督。(C)SAKANOWA
サポーターへ「大きな想いや愛で包んでいただいています。努力で応えます」。
[J1 14節] 川崎 – 浦和/2019年6月1日19:00/等々力陸上競技場
オズワルド・オリヴェイラ監督を電撃解任に伴い就任した浦和レッズの大槻毅新監督が5月29日の練習後、大原サッカー場のクラブハウスで記者会見を行った。
これまで浦和はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は決勝トーナメント進出を果たしたものの、リーグ戦は13節を終えて5勝2分6敗で11位――。このオファーに、新指揮官は次のように率直に思ったという。
「このタイミングで、ということは、クラブも危機感を持っているだとすごく感じます。自分より、クラブが大変なのだということを考えました。このクラブでいろんな方たちが働き、悔しい思いをしているのであれば、僕が何か少しでも力になりたい。仕事をしたいという気になりました」
29日の練習前のミーティングでは、次のように選手たちに伝えた。
「久しぶりにみんなの顔を見て、最初に言ったのは、この状況を我々は認識しないといけないということ。『危機感を持っていますか』『危機感を持たざる得ませんね』と。もう一つは、こうした状況に心がざわつくものだが、その中でも落ち着いて、次の準備をしようと。そのうえで、『うちに秘めているものをしっかり表現してください』と伝えました」
現在のチームの成績について、次のように受け止める。
「勝点が足りない。ACLでは決勝トーナメントに勝ち進みました。が、リーグ戦に対しての勝点が足りない。それがすべてだと思います。それが、なぜか? そこをしっかり考えて取り組みます。クラブの目標(2冠を目指す)は変わりません。それに対し、どう取り組むのかを、選手たちに伝えました。1試合で勝点7も8も取れませんが、1試合ずついい準備を続けることが責任になります」
また、大槻監督は「これまですべての試合を、しっかり観点を持って見てきました」という。
そのうえで、「足りていないところ、という視点では見ません。(では、このチームにあると思うことは?)みんな一生懸命にやっています。その方向のところを整理する必要はありますが、サッカーへの情熱を持って『やらなければいけない』という気持ちも伝わってきます」と選手たちの情熱を感じ取り、それをピッチに落とし込みたいと強調した。
6月1日の川崎フロンターレ戦まで、すべて非公開練習にした理由は、「一つは集中したかったから。もう一つは、次の試合、前回(昨季の暫定監督)の時もやりましたが、相手に知らせないほうがいいでしょ。その2点です」と説明した。
そして昨季の暫定監督の時は「オールバックの組長スタイル」が話題を集めた。
ただ、今回は「あの時は、ウチの選手が僕のことを知らなかったので、何をやっても良かったんです。今は知っているので、そんなことをしたら鼻で笑われるだけ。なので、しっかりいつも通り準備して、新しい方向へ向けるように練習で積み上げてようにしていきたいです」と、”飾らない”スタイルを示唆した。
そして最後にサポーターに向けて、次のように呼び掛けた。
「サポーターにお願いしたいことは、いろんな形があると思いますけれど、いつも大きな想いや愛で包んでいただけていると感じています。そういった思いを続けて届けていただけるように、私たちもさらに努力していきます。ぜひ一緒に、お願いします」
文:サカノワ編集グループ