【FC東京】久保建英が抜けた”穴の大きさ”に長谷川健太監督言及「たかがワンピース、されどワンピース」
FC東京のキャプテン東慶悟から花束を受け取る久保建英(左)。上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「彼のタメや意外性はなかなか他の選手では補えない」。一方、ナ・サンホの台頭を喜ぶ。
[J1 17節] FC東京 4-2 横浜FM/2019年6月29日/味の素スタジアム
FC東京が全チームと対戦を終え、首位でターンした。17節は2位の横浜F・マリノスに4-2と力でねじ伏せての快勝。これで11勝3分3敗、25得点・12失点と安定した成績を残している。
FC東京の長谷川健太監督は試合後の記者会見で、前半戦の戦いぶりについて、次のように振り返った。
「(2トップが攻撃の中心を担う形について)ひとつあれが我々の形であることは否定しません。2トップのスピードと能力は、当然、東京の武器。その武器をいかに生かすのか。(今回の横浜FM戦のように)相手が前へ来てくれれば、しっかりしたブロックからチャンスを狙うのが、一つの形になります。ただ、来ない(引いてくる)ところ、最近では、ファウルで止めに来るチームも非常に増えています。そこでどうするのかも課題です」
最近はリーグ戦で連敗が続いていた。そこで今回、力のある横浜FMに勝って、その連敗を止められたことで自信も取り戻せた。昨季とは違う――。
指揮官も手応えを得ていた。
「前半戦は、引かれた相手から点を取ったり、ひっくり返したりできたこともありました。こじあけられなかった相手に対しても、(ナ・)サンホが点を取りましたが、新しい選手も出てきました」
とはいえ、久保建英の抜けた穴が大きいと、長谷川監督は素直に認める。「たかがワンピース、されどワンピース」と表現した。
「建英が非常に前半戦ブレイクし、攻撃の起点になってくれて、そういった引かれた相手に対しても、これまでと違う形から点が取れました。ただ前節は崩せませんでした。
たかがワンピース、されどワンピース。抜けた穴はチームにとって大きいと思います。彼のタメや意外性はなかなか他の選手では補えないものがあります。その意味で、今日サンホが結果を出してくれて、これからチームに馴染んできてくれれば、またこれまでとは違ったファーストブレイクや形から点を取れると期待しています」
そして長谷川監督はさらにその先も見据える。
「ただ、それも研究されると思うので、また第2、第3と現場で考えていかないといけないと思います。ジャエルも今日J3でプレーしていますが、彼が復帰してくれば、また攻撃のオプションも増えると思います。
昨シーズン、パタッと止まって点が取れなくなったので、そういう時期を短くできるようにしていければと思います。また、直接フリーキックから1点も取れていないので、残り17試合、難しい試合ではセットプレーで取れるようにしていきたいと思います」
そのように、補強にも含みを持たせた。昨季終盤に失速しただけに、FC東京にとって、重要な夏場の戦いに突入していく。今年は一味違う!
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文:サカノワ編集グループ