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「自分が出れば…」遠藤保仁が受け止める『役割』と『責任』

G大阪の遠藤保仁。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

増えるG大阪でのアンカー起用の意図を理解しながら。

[J1 18節] FC東京 3-1 G大阪/2019年7月7日/味の素スタジアム

 ガンバ大阪のMF遠藤保仁がFC東京戦の後半開始からアンカーで出場し、攻撃の起点となってパスを散らしチャンスを作り出したものの、再逆転はできず1-3で敗れた。チームも7試合ぶりの黒星を喫した。

 前節の松本山雅FC戦は6試合ぶりに先発し、アンカーの役目をこなして3-1の快勝をもたらした。それでも今回はベンチスタートに。

 遠藤は今、自身がチームで求められている役割について、次のように語っていた。

「最近は(3-5-2の)アンカーに入ることが多く、ゲームを作りながら優位に試合を進めていてことが一番の仕事だと思っています。ビルドアップの助けをできるように頭を使いながらやっていきたいです。自分が出れば、ボール支配率を高めることが一番の狙いになる。入った試合は、それなりに高められると思っています。それを勝利につなげられるように、自分の仕事をしっかりこなしていきたい」

 ボールと試合を支配して、主導権を握って勝点3を掴む。松本のように後方でブロックを築いてくるチームには、まさに遠藤のハイレベルなテクニックとキックセンスが生きる、ということだ。そして今回、リードを奪ったFC東京が守りを固めてくることを読んで、後半開始からアンカーに投入された。

 宮本恒靖監督のその起用意図は伝わってきた。が、遠藤をいかに生かすか――。多くのアタッカー陣が裏を突こうと動きが重なったり、遠藤からのクサビが入っても簡単に後ろに戻したり横につないだり手数が多くなったり……そこがチーム全体として共有できていない印象は受けた。スタイルの変化に対応しきれずにいる選手も見受けられた。

 そして結果的に、相手にミスを突かれて失点を喫した。

「(首位のFC東京に敗れたのは)ミスが多くなったり続いたり、そうした当然の結果。力の差は全然感じないですけれど、しぶとくこうした試合を勝っていくのが首位の強さ。上位に行くためには、そのような逆転する力が必要。そこは受け止めてやっていきたいです」

 遠藤は淡々とそのように語った。

「選手である以上は先発で出るためにアピールしないといけない。アピールしても出られないこともあるけれど、練習から持っている力をしっかり出していくことが大事。チームのために、先発で出ても、途中からでも役割をこなしながら、監督の信頼に応えられるようにしたい」

 宮本監督が狙うチーム全体の運動量を上げてプレッシングをかけに行くような試合では、遠藤は今回のように「スーパーサブ」的な起用が多くなるか。とはいえ、遠藤の活躍なしに、G大阪の「勢い」の先にある「安定した強さ」はないようにも感じる。

「首位を叩いて上へ行けるチャンスだったので、残念ですが切り替えていきます」と、39歳の遠藤はこの敗戦もバネにして、さらなる「進歩」を目指す。その遠藤の内面で燃えるさまざまな渇望もまた、チームの”芯”を強くするためには不可欠な要素になる。

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[サカノワ編集グループ]

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