南米で波紋広がる中島翔哉への残忍タックル。「熱い鉄」とペルー紙
日本代表の中島翔哉。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARa
パラグアイ代表サブリナの行為に、ブラジルメディアは「暴力で訴えた」。
[キリンチャレンジカップ] 日本 2-0 パラグアイ/2019年9月5日/カシマサッカースタジアム
パラグアイ代表戦の前半終了間際、日本代表のMF中島翔哉(FCポルト)が左サイドでリフティングしながら行ったドリブルが挑発行為と捉えられ、パラグアイの7番、アントニオ・サナブリアから激しいあからさまな危険なタックルを受けた。中島は「(挑発する)そんなことまったく何も考えていなかった。気分を害したのであれば謝ります」と、そのような意図はまったくなかったと弁明。試合後にはサブリナと”和解”もしたそうだ。
しかし、この”タックル問題”。南米でも波紋が広がっている。
ペルーのリマを拠点とするメディア『ラ・レプブリカ』は、「日本人がパラグアイ代表をからかい、『熱い鉄』を受けた」と題して、このシーンについて動画とともに記事を掲載。「中島がドリブルを開始すると、サブリナがそれを”破壊”。途轍もない『鉄』を与えた」「中島がちょっとしたプレーを開始すると、屈辱的だと受け止めたサブリナがそれを許さなかった」と伝えた。
同じくペルーのスポーツメディア『リベロ』も、「日本とパラグアイの親善試合でサブリナが残忍な報復タックル」と題して伝えた。こちらはこのシーンを次のように詳しく描写した。
「中島がボールを突き始めると、サナブリアはこのジェスチャーを好まず、全速力でやって来てタックルで蹴り上げた。 主審はパラグアイのストライカーにイエローカードを提示。 幸いなことに、日本のアタッカーはこのファウルの影響も受けず、パラグアイ人の怒りが収まると、唇に笑みを浮かべてもいた」
また、『ESPN』のアルゼンチン版は、「サブリナは中島の気まぐれドリブルを許さなかった」と、このシーンを伝えている。
一方、ブラジルメディア『グローボ』は試合レポートのなかで、「中島が反撃を仕掛けた時、サブリナはハードタックルを仕掛けた。パラグアイ代表は暴力で訴えた」と断罪していた。
南米のメディアでは、タックルをしたサブリナが主語で語られている記事がほとんどで、事実を淡々と伝える記事、”報復”をやや大きく扱う記事、とにかく信じられない行為だとあきれている記事、いろいろな形で伝えている。
前半で退いた中島だが、そのタックルは大事に至らなかったという。日本は9月10日、カタール・ワールドカップ(W杯)の2次予選初戦、ミャンマー代表とアウェーのヤンゴンで対戦。中島が変わらずピッチで躍動する姿を見せてくれるか――。
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[文:サカノワ編集グループ]