【鹿島】ACL敗退を経て町田浩樹がさらにタフになる「責任を感じているが、幸運にも…」
広州恒大との2試合にフル出場した鹿島の町田浩樹。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
JリーグではCB、ACLでは左SB。今後の起用法は?
[天皇杯 4回戦] 鹿島 – 横浜FM/2019年9月25日/カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズがアジアチャンピオンズリーグ( ACL )のベスト8敗退を経て、国内の残された3つのタイトル獲得に挑む。チームは9月25日、天皇杯4回戦で横浜F・マリノスと対戦する。ベスト8進出を懸けた一戦、決勝でもおかしくないようなJリーグ上位同士の好カードがここで実現する。
9月18日のACL準々決勝の第2戦(セカンド・レグ)、鹿島は広州恒大とホームで1-1で引き分け、2試合トータルスコア1-1(アウェーでの第1戦は0-0)、アウェーゴールルールにより敗退し、悲願だったアジア連覇を逃した。
試合後の選手たちの落胆は、もちろん大きかった。
直接対決を制して首位FC東京に勝点1差に詰め寄ったJリーグ、浦和レッズに2試合トータルで勝利してのルヴァンカップのベスト4進出と、勢いに乗って挑んだカシマスタジアムでの一戦。試合に敗れはしなかったものの、レギュレーション上は「敗退」。最初にこのビッグタイトルを逃したとあって、とりわけメンタルへのダメージは相当だったように感じられた。
そのなかでDF町田浩樹は誰よりも責任を痛感していた。
「アウェーゴールを奪われてしまい、そこが自分のところからだったので、すごく責任を感じています」
40分のコーナーキックからの一撃。シュート性の高速ライナーのキックに元ブラジルU-23代表のタリスカにピンポイントのヘッド弾を合わされた。まさに一瞬の隙からモノにされた。
「自分がマークを外してしまった。それに尽きます。相手のいいタイミングで入らせないように体をぶつけたり、工夫が必要だったと思います。結果的にやられてしまったので、自分の責任です」
そのように町田は受け止めていた。
アウェーの激闘は無失点に抑え切っていた。チームとして試合に勝ち切れなかったこと。それこそが敗因になる。とはいえ、その明暗を分ける「1点」の重みを町田は強く感じ取っていた。
今季急速に出場機会を増やした鹿島ユース出身の生え抜きの22歳のDFにとって、まさにここが勝負どころと言える。あの失点をどのように受け止めて這い上がり、そして、さらにタフになれるか。
「タイトルを一つ失ってしまった責任を感じています。ただ……幸運にもあと3つ、タイトルを獲るチャンスがあります。(試合直後のため)すぐには(気持ちを)切り替えられないですけれど、また次の試合に向けて準備していきたいと思います」
190センチと体格にも恵まれた左利きのDFは、「責任」という言葉を繰り返した。
Jリーグではセンターバックを務め、ACLでは左サイドバックとして戦った。そのバイタリティや運動量を、より激しいアジアの舞台でのマッチアップで活用したいという大岩剛監督の起用の意図がうかがえる。リーグ戦では助っ人枠で起用可能なブエノが好調なだけに、今後の起用法にも注目が集まる。
昨シーズンほどではないとはいえ、ここからも鹿島にとっては厳しい日程が続く。そのなかで、タイトルを掴むためには、町田の力が不可欠になる。
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[取材・文:塚越始]
Topics: DF Koki MACHIDA of Kashima Antlers said “It’s my fault”.