暫定2位浮上。長谷部誠が”予言”していたフランクフルトの上位進出「上手くいけば…。でも転べば…」
ニコ・コバチ監督のもと、長谷部がチームのまさに”中心”を担う。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
中位にいたとき、チーム内の熾烈な競争に手応えを得ていた。
長谷部誠の所属するアイントラハト・フランクフルトが1月26日、20節・メンヒェングラートバッハ戦で2-0の勝利を収め、暫定2位に浮上した。他のチームがまだ試合を行っていない段階とはいえ、2位以下が混戦模様になるなかで貴重な勝点3を獲得した。首位バイエルンとは勝点14差。
長谷部は3バック(変則的5バック)のリベロとしてフル出場し、勝利に貢献した。チームの総得点26はリーグ11位だが、総失点20は2位。今季のフランクフルトは相手チームのストロングポイントを試合の流れに応じて消しながら、勝負どころでゴールを奪う臨機応変な戦い方ができている。
以前まだフランクフルトが中位にいたとき、長谷部はまるでこの状況を”予言”するようなことを語っていた。
「苦しいゲームをどうにか勝てるときもあれば、ホームで勝点を落としてしまったりもするが、このチームは選手が多く、競争が厳しい。その良い競争のなかで、チーム力が上がっていると感じています」
元クロアチア代表FWのニコ・コバチ監督のもと、切磋琢磨し合いながらチーム力を高め、そして長谷部を中心とした組織的かつ柔軟な戦いができている。長谷部は続けた。
「監督がそのあたりの引き出し方が上手く、今シーズンのフランクフルトは上手くいけば本当に上位に行けると思うし、転べばもう少し下の順位になってしまうのかなとも思います」
怪我やインフルエンザなどで欠場の続いた長谷部が戦列に戻り、チームは安定感を取り戻した。もちろん、少しでも気を緩めれば下降しかねないという危機感を常に抱いている。ただ、今は堅守をベースに、ベクトルが上を向く『良いほう』に向かっているのは確かだ。
文:サカノワ編集グループ