【大分】“大幅変更”の新戦術に挑戦。片野坂監督「戦いの幅を広げるため」
片野坂知宏監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
コンセプトは変わらず、超短期決戦と5人交代枠を考えて――。
J1リーグ 大分トリニータの片野坂知宏監督と4選手が6月30日、オンラインによる取材に応じて、7月4日のリーグ再開・サガン鳥栖戦に向けた抱負を語った。そのなかで、チームは中断期間明け、新戦術に取り組んでいることが明かされ、片野坂監督は「超短期決戦の中で戦いの幅を持たせるため。5人交代枠であることも考え、チャレンジしていきたい」と語った。
あくまでも、目的なゴールを奪うことであり、勝利を挙げること。そのための選択肢として、新たな選択肢を加えたい考えだ。7月4日のサガン鳥栖との九州ダービーでその“新戦術”を披露するかどうかは未定。あくまでも対戦相手、試合状況、そして大分の選手のコンディションなどを考慮したうえで、新戦術は選択される。
片野坂監督は「あまり戦術に関しての詳しいことは言えませんが……」としたうえで、次のように語った。
「今年は特別なシーズンで、これから夏場を経て、約半年で33試合をしなければいけません。短期決戦の中で、自分たちの戦術の幅を広げたいという考えがありました。そこにチャレンジし、ある程度の手応えを得ていますが、それを使うかどうかを含め、対戦相手、試合や私たちの状況を見て、使い分けられるようにしたいです。
まず、選手たちが思い切ってプレーできているかどうか。その狙いのなかで、5人交代枠も考え、しっかり躍動感を持てて闘えているかがすごく大事。そこを見極めながらチャレンジしたいきたいと思っています」
それは大きな変更なのか? 指揮官はそこは詳しくは話せないと苦笑しながら、「自分たちのコンセプトの変更はありませんので、そこは皆さんの捉え方次第です」と強調した。
「コンセプト自体は変わりません。しっかりボールを握って、相手の状況を見て攻撃のところを構築していきます。得点を取るための戦い方と狙いを発揮できるように、選手を送り出していきたい。ゲームごとに狙いも変わり、対戦相手の選手ももちろん変わります。戦い方を含め戦術の幅を広げないと一筋縄では行かないと思うので、戦いの幅を広げるための準備をしています。必ずしも新しいこと、新しい戦術が機能するかどうかも、トレーニングで見極めていかなければいけないと思います」
そのように片野坂監督は説明をした。
また、松本怜は新型コロナウイルスによる活動再開後について、「いろいろ新しいことにチャレンジしてきました」と語る。
「新しいチャレンジしている部分の中では、まだ完成度が高いとは言えないかなと感じています。(2月の公式戦2試合と比べて)その2試合と今チャレンジしていることはだいぶ異なるので、そこの比較はちょっと難しいかなと思います。(かなり変わっていると?)大幅に変わっています」
一旦しっかり自陣に引いてのカメナチオ&強烈カウンターの復活? イングランド・プレミアリーグを制したリバプールFCのような前線でラッシュを仕掛けるストーミング? 大分とも共通項の多い横浜F・マリノスのような5レーン攻略を重視したポジショナルプレーの進化版? それとも――。
大分の溌剌と躍動する選手たちが、一体どのような“新たなチャレンジ”を見せてくれるのか。片野坂監督のもと、大分トリニータは歩みを止めることなく挑み続ける。
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[取材・文:塚越始]