【鹿島】ザーゴ監督が川崎戦へ抱負。無観客試合は「嫌い。励まされてこそプラスアルファの力が発揮される」
オンラインでの取材に応じた鹿島のザーゴ監督。(C)SAKANOWA
いくつかのキーワードも――「ポジショナルプレーに取り組んできた」「ベースとなる選手は就任当初から決めていた」。
[J1 2節] 川崎 – 鹿島/2020年7月4日19:00/等々力陸上競技場
J1リーグ鹿島アントラーズのザーゴ監督が7月2日、オンラインでの記者会見に臨み、これまでのチーム作りの状況、4日の川崎フロンターレ戦に向けた抱負を語った。
まず指揮官は、現在のチーム状況に次のように手応えを得ていた。
「選手のモチベーションは非常に高いと感じています。4か月、サッカーのない状況が続き、試合をしたいとウズウズしていたことが伝わってきます。当然シーズン当初より連動性が高まり、狙っていることを選手も理解して、表現できるようになってきています。楽しみな再開であり、いいスタートを切りたいです」
そのうえで、今季就任したブラジル人監督は次のように新スタイルの浸透度についても語る。
「これまでの守ってカウンターを狙うリアクションサッカーから、ポジショナルプレーによる、ポジションをとりながら相手を動かしていくところを目指して取り組んできました。選手たちにはポジションを守ることを意識させてきました。そのゾーンにいれば、味方がどこにいるかを認識しながらプレーできます。そういった意思疎通を高めることができました。ビルドアップや相手陣内でのプレスのかけ方に、緻密に取り組んできました」
2年前までリーグ連覇、そして昨季はルヴァンカップを獲得した、再開初戦の相手となる川崎の印象は? ザーゴ監督は「優勝候補の一角だ」と警戒する。
「両チームとも攻撃的なサッカーをしますが、フロンターレは能力が高い。間違っていなければ二つタイトルを取れてきた、勝者のメンタリティが植え付けられてきたチーム。個人的には優勝候補の一角に入ってくると思っています。まず、私たちがやるべきことをしっかりすること。ふたを開けてみなければ分かりませんが、練習で培ってきた自信を試合で見せられれば、いい表現ができて、いい結果に結び付けられると思います」
そのように指揮官自身も“公式戦”を迎えられることを楽しみにしている。
そして夏場ではあるが、いきなりの連戦となる。ザーゴ監督は「ベースとなるチームは就任当初から決めていました。そのなかで25人全員が必要な時のために、理解できていなければいけません。全員が同じイメージを共有すること。この4か月をかけて、その浸透を図ってきました」と語る。
4日の川崎戦、そして8日のホームでの北海道コンサドーレ札幌戦は、無観客での開催となる。
「(無観客での開催について)僕は嫌い。お客さん、サポーターが観客席にいて、励まされることで、プラスアルファの力が発揮されます。正直、寂しいところはあります。この社会情勢ではやむを得ないと思っています。その環境のなかでの試合開催は当初から決まっていたことでもあります。サポーターを迎え入れるタイミングで、もっとギアを上げられる状況に持っていきたい。だからこそ、まずは一人ひとりのモチベーションを高めることが、重要なファクターになってくると思います」
そのように観客を迎え入れるもう一つの再開の日を、ザーゴ監督は心待ちにしていた。
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[取材・文:塚越始]