「事件は謎のまま」ポルト中島翔哉が日本復帰か
ポルトの中島翔哉。※ポルトの公式ツイッターより
ポルトガルメディアがローン契約で交渉中と報じる。夏の移籍期間は今日まで、10月に特例ウインドウ。
ポルトガル1部リーグのFCポルトに所属する日本代表MF中島翔哉が8月24日のチームの始動以降、トレーニングに合流できずにいる。ポルトガルメディアの『オ・ジョゴ』は26日、「事件の謎のまま」と中島の復帰予定は相変わらず白紙のままであると報じ、クラブに対する不信感を強めている。一方、同じくポルトガルメディア『ジョルナル・デ・ノティシアス』は、中島が日本にローン移籍されることで話を進めていると伝えた。
『オ・ジョゴ』の記事では、仲介人の話として中島はすでにポルトガルにいて練習に加わるスタンバイができているが、合流できずにいるという。その点、記者がクラブに問い合わせると言葉を濁らされてしまうそうで、「中島の事件は謎のまま」だという。
中島は優勝セレモニーには一切参加せず、8月23日に26歳の誕生日を迎えたが、クラブが各選手の誕生日を祝福するSNSのメッセージすら発信されなかった。一方、中島本人も最近では珍しいことにSNSを活用していないため、本人の動静がまったく分からずにいる。
そうしたなかポルトガルの日刊紙『ジョルナル・デ・ノティシアス』は、中島が日本に復帰するための交渉が進められていると伝え、ポルトがアル・デュハイルFCから獲得する際に支払ったパス半分にあたる1200万ユーロ(約15億円)の移籍金をほとんど回収できなくなる可能性もあるということだ。
中島は新型コロナウイルスの影響によるチームの中断明け、初日の練習に参加したあと翌日から参加せず。地元メディアでは、彼をサポートしていたスタッフが日本に帰国してしまったなか、体調を崩した家族の看病を中島一人で診なければならなくなったという。また家族は気管支炎だったため、新型コロナウイルス感染の可能性もあることから、練習に加わるためには慎重に対応した。
一方、ポルトのセルジオ・コンセイソン監督はチームの結束を重視。中島は自主練習をしながらの試合への参加の可能性を模索したが、指揮官は練習場でのロッカールームの空気をともに共有できなければ、試合での起用はできないというスタンスを貫いた。セルジオ・コンセイソン監督はシーズン終盤、「その問題はクラブに委ねている」と中島に対するコメントを控えた。
中島不在のポルトは、リーグ、ポルトガルカップの2冠を達成。中島はトレーニング施設で個人トレーニングを行っていたが、全体練習には加われないままシーズン終了。優勝に関するセレモニーにも参加しなかった。
そうしたなかポルトのピント・ダ・コスタ社長はシーズン終了の段階で、中島との契約を打ち切るつもりはなく、「私たちが信じている選手であり、新シーズンはチームに加わるだろう」と語っていた。
中島は2018-19シーズン、ポルトガルのポルティモネンセSCからカタールのアル・ドゥハイルSCに日本人選手の最高額となる移籍金(違約金)3500万ユーロ(約43億6000万円)で完全移籍。さらに2019-20シーズン、ポルトがクラブ史上2番目に高い1165万ユーロ(約14億5000万円)で、アル・ドゥハイルから保有権の半分を買い取る形で獲得。中島とポルトは2024年6月まで5年契約を結んでいる。
Jリーグの夏の移籍市場(第2の移籍ウインドウ)は今日8月28日まで。新型コロナウイルスの影響を受けた今年は特例により、第3の移籍ウインドウが10月2日から10月30日まで設定されている。
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[文:サカノワ編集グループ]