酒井宏樹がネイマールの“股抜き”を完璧攻略。どう止めた?
酒井宏樹(左)とネイマール(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
マルセイユが9年ぶりのパリSG撃破を無失点で果たす!
[フランス1部] パリSG 0-1 マルセイユ/2020年9月13日/パルク・デ・プランス
フランス1部リーグ、オリンピック・マルセイユが昨季暫定1位のパリ・サンジェルマンにアウェーの地で1-0と競り勝ち、リーグ戦では2011年11月以来約9年ぶりとなる勝点3を獲得した。マルセイユの日本代表DF酒井宏樹は右サイドバックとしてフル出場し、新加入の長友佑都はベンチ入りを果たした。
この一戦、アディショナルタイムの乱闘劇で、パリSGの3人、マルセイユの2人、計5人が退場し、世界中から話題を集めてしまった。
しかし一方、試合中、酒井は対峙したブラジル代表FWネイマールと再三にわたりマッチアップを繰り広げた。すると文句なしの“股抜きストップ”で、ブラジル代表エースのドリブルを食い止める場面も見せた。
53分、パリSGの背番号10は左サイドのタッチライン沿いをドリブルで持ち上がり、コーナーフラッグ付近から中央に向かう。
対峙するのは酒井だ。あえて少しだけ股を開いて、ネイマールを“誘惑”。そのあとマルセイユの右サイドバックはネイマールの足の動きに集中し、股を狙ってきたその瞬間、左ヒザを倒して股の間のスペースを消す。そこでボールを奪うことに成功、酒井はすかさず攻撃に切り替え、縦にパスをつけて逆襲に転じた。
あまり股を開き過ぎず、しかし相手がそこ(だけ)を狙っている心理を読んでの駆け引き、酒井が見事制してみせた。
酒井自身はそのネイマールへの対応で、開始7分にイエローカードをもらうという非常に厳しい状況に追い込まれていた。それでも冷静さを失わず集中を保ち、忍耐強く90分間を戦い抜いた。そんな酒井の対応も、最終的に退場処分を食らうネイマールを(思うようにプレーできず)イライラさせた一因だったと言えた。
マルセイユがリーグ戦でパリSGに勝利したのは、実に2011年11月以来である。そんな歴史的な1勝を支えた、マルセイユの2番、酒井の奮闘ぶりが光った。
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[文:サカノワ編集グループ]