罰金400万円、秋田が約5年間入場者数水増し「クラブの信頼関係を大きく揺るがす行為」
写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
Jリーグから極めて厳しい懲罰処分。クラブ代表が謝罪。現在無敗でリーグ首位に立つ。
Jリーグは9月17日、J3リーグのブラウブリッツ秋田が2014年から2019年開幕戦まで計85試合について、リーグ規定の算定に従わず入場者数を水増ししていたとして、村井満チェアマンから裁定委員会に諮問し、罰金400万円を課すことを決定した。
Jリーグによると、秋田はJ3の2014シーズン開幕戦から2019 シーズン開幕戦までのホームゲーム全85試合で、Jリーグ規約、試合実施要項が規定する入場者数の算定 方法を用いず、入場者数を正確にカウントできていないうえ、各入場口でカウントした入場者数に観客以外の人数も加算したものを公式入場者数として発表。Jリーグに提出する公式記録に虚偽の入場者数を記載した。
秋田はスタジアムの各入場口でカウントした入場者を集計した合計入場者数の10パーセント程度を水増ししていた。また、入場者数に算入できない運営ボランティア、運営スタッフ、出店者、メディアを少なくとも1試合平均75人から120人を加えていた。
懲罰内容は罰金400万円に決まった。
懲罰理由は以下の通り。
1)入場者数は、スポンサーやファン・サポーター等にとって極めて重要な指標であり、Jリーグ開幕当初から厳格な方法により算定した実数を発表しているが、J3加盟当初から約5年間もの長期にわたり、上記のとおり根拠のない数字および本来含めてはならない人数を入場者数として発表・報告してきた本件行為は、Jリーグへの信頼を大きく失墜させるものである。
2)本件行為は、試合運営体制の不備により各入場口でカウントした入場者数が目視による観客数を下回っていたことが契機になって始まったものであり、役員らは試合実施要項が規定する入場者数の算定方法、クラブにおける実際の算定方法、及び両者の差異のいずれについても十分な認識がなかった。
入場者数の算定方法は、クラブとして順守すべきルールであるにもかかわらず、クラブの役員らはこれに関心を払わず、ルール順守のための体制整備を怠って本件行為を放置してきたものである上、2017年に類似の事案(入場者数の水増し)が明らかになった際も、自らの運用を顧みず、その後も本件行 為を続けてきたものであり、その責任は重い。
4.適用条項 『Jリーグ規約』
第 133 条〔Jリーグにおける懲罰〕第 2 号
第 153 条〔1,000 万円以下の罰金〕
第 2 号 第 26 条〔Jクラブの健全経営〕第 3 号
また、秋田の岩瀬浩介社長が同日、次のようにクラブ公式サイトで謝罪のコメントをアップした。
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いつも温かい応援を頂き誠にありがとうございます。
この度は、ブラウブリッツ秋田J3リーグ戦の2014シーズン開幕戦から2019シーズンの開幕戦までのホームゲーム全85試合において、Jリーグ規約、試合実施要項が規定していることを順守せず、誤った入場者数をリーグに報告をしていたことに対しまして、ファン・サポーターの皆様に深く、深く心からお詫びを申し上げます。
本件行為は、どんな時もチームと共に戦っていただいた皆様とクラブの信頼関係を大きく揺るがす行為であると深く反省し、Jリーグの懲罰決定について真摯に受け止めております。
皆様の応援の甲斐あって、チームが好成績をおさめている中、このような水を差すようなことが発覚し、本当に申し訳なく思っております。
2019年シーズンの第5節のホームゲームより、リーグ規定に沿った算定方法をしております。 再発防止と皆様との信頼回復に努めてまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社ブラウブリッツ秋田
代表取締役社長 岩瀬 浩介
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秋田はJ3で現在、14試合を終えて11勝3分の無敗、勝点36を挙げて首位に立っている。
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[文:サカノワ編集グループ]