久保建英にレアル・マドリード復帰待望論。チャンス?時期尚早!?
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
本来の主戦場、右サイドが固定できずにいるだけに――。SNSで議論。
UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ(GS)5節、スペイン1部レアル・マドリードがウクライナ1部シャフタール・ドネツクに0-2で敗れた。シャフタールにはGS2連敗。レアル・マドリードはグループ3位に転落、12月9日(日本時間10日5時)のホームでの最終節、首位に立つドイツ・ブンデスリーガ1部ボルシア・メンヒェングラードバッハ戦にすべてを懸ける。
スペインリーグでも現在3試合連続勝ち星がなく4位と苦戦を強いられる。カリム・ベンゼマ、セルヒオ・ラモスら中心選手をケガで欠くとはいえ、ジネディーヌ・ジダン監督のもと、決してモダンとは言えないクラシカルな戦い方で結果を残せずにいるため、ファンの間でも様々な議論が起きている。
昨季鳴り物入りで加入したベルギー代表FWエデン・アザールは、新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出るアクシデントがあったものの、ケガによる離脱も頻繁に繰り返す。12月1日には太ももの負傷で、最低でも3週間の離脱することが発表されている。
そんなアザールの誤算もあり、レアル・マドリードでは、昨年からアタッカーが確立できずにいる。特に右サイドは、ロドリゴのパフォーマンスが安定せず、最近はマルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケス(サイドバックも)が務めているものの、いずれもいまだノーゴールである。ヴィニシウスやアザールも何度か起用されてきた。しかしなかなか、パっとしない。
そんななか、SNSではにわかに久保復帰に向けた待望論の声も出ている。
ビジャレアルCFの右サイドのアタッカーは、逆にスペイン代表ジェラール・モレーノ、ナイジェリア代表サムエル・チュクウェゼがしのぎを削る。そこにレンタルで加入した久保は、なかなか割って入ることができず、トップ下、左サイドで起用され、何よりスペインリーグは1試合の先発出場にとどまる。
一方、ヨーロッパリーグでは4試合全試合で先発しているが、可能性が買われているとはいえ、輝き切れない左MFでの起用が続く。1年間という期間限定であるレンタル移籍の難しさを痛感させられる状況に置かれている。
そして1月には、レアル・マドリードへのレンタルバックもあり得るのではないかという噂も、ここに来て浮上している(ただし、ビジャレアルが“決定権”を握っているということだ)。もしかすると、その技術の高さを評価するジダン監督が、久保を必要とすることも!?
むしろ、今こそレアル・マドリードに戻って揉まれるべきでは? SNSではレアル・マドリードの未来のためにも「ウーデゴールやクボを中心にしたチーム作りを進めるべきだ」「久保、ブラヒム(ディアス)…今こそ若い力に頼る時だ」など歓迎の声も多い。
一方、将来に向けて、今はあらゆる経験を積むべきだという声も少なくない。いずれにせよ、レアル・マドリードで主力を担うにはまだ早いのではないかということだ。
いやいや、だからこそチャンスであり、今から競争すればいい。そのように、まさに喧々諤々。様々な意見が世界中のマドリディスタから寄せられている。
結果を残してきたチームに加わる難しさを、久保は昨季昇格したばかりのRCDマジョルカでも経験している。さらに数段レベルの上がるビジャレアルで、しかも各国代表クラスの選手がいるなかでポジションを掴むのは、将来的なチーム作りを考えたうえでも難しさはある。
外国籍選手枠の問題(EU外枠はヴィニシウス、ロドリゴ、エデル・ミリトンの3人が活用)がクリアにされていて、あるいは規定が異なるCLで、実際のところ、もしも、レアル・マドリードに久保がいたら……。右サイドでそれなりにチャンスは得ていたかもしれない。とはいえ、久保が目指しているのは、もっと上のレベル――レアル・マドリードの中心選手として世界の頂点に立ち続けること、だ。
ビジャレアルで久保はこれまで全試合に出場している。それもまた大きな意味を持つ。いずれはリーグ戦でチャンスが訪れるかもしれないが、果たして――。
ビジャレアルは12月3日(日本時間4日2時55分)、ヨーロッパリーグのGS6節、トルコ1部スィヴァス・シュポルとアウェーで対戦する。1位突破を懸けた一戦、久保は先発出場が予想される。
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[文:サカノワ編集グループ]