【皇后杯】女王ベレーザは二度泣かない。遠藤純がハットトリック達成、リーグ戦の雪辱と4連覇へ29日に浦和Lと決勝
4連覇なるか!日テレの長谷川唯。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
すべて異なる形から圧巻の4ゴール! 浜田遥に決められるものの、マイナビ仙台に快勝。
[皇后杯 準決勝] 日テレ 4-1 マイナビ/2020年12月24日/サンガスタジアム by Kyocera
日テレ・東京ヴェルディベレーザは前半、マイナビベガルタ仙台レディースの統率の取れた組織的な守備に苦しんだ。それでも26分に遠藤純が最初のシュートをゴールにつなげる勝負強さを見せつける。
一方、マイナビは13分に浜田遥が惜しいシュートを放ち、そういったシーンを繰り返せれば十分挽回できる雰囲気を醸し出した。39分には小林里歌子のPK失敗で、ベレーザに流れていたリズムを途切れさせて反撃の狼煙を上げた。ここまで2試合連続でPK戦の末に勝ち上がってきたマイナビには、決勝進出を期待させるものが確かにあった。
しかし後半、日テレが自分たちの力で、流れを取り戻す。
52分に宮澤ひなた、5分後に再び遠藤による連続ゴールで突き放す。そして79分、遠藤はハットトリックを完成させるとともに、4-1として勝利を確実にした。
日テレのゴールはいずれも鮮やかだった。サイドチェンジから小林の折り返しを遠藤が決めた1点目、長谷川唯と宮澤のワンツーから崩した2点目、長谷川のロングフィードを遠藤と「点」でつないだ3点目、長谷川と菅野奏音のドリブルでリズムを変え、最後は宮澤の折り返しに遠藤が合わせた4点目――。すべて異なる形から決めてみせたのは圧巻だった。
一方、マイナビはベスト4進出を支えた有町紗央里が投入されると再び活性化。85分、北原佳奈のロングボールに浜田が目いっぱい右足を伸ばして意地の一発を沈めた。引退する小野瞳と有町への感謝のみならず、2020シーズンのあらゆる思いが詰まった渾身のゴールだった。
日本女子サッカー3タイトルの最後を飾る皇后杯は様々なドラマが生まれ、ピッチ内外で人間模様が織りなされる。
決勝に進んだベレーザは、皇后杯3連覇中だ。なでしこリーグでは優勝した浦和レッズレディースに勝点13差をつけられ3位に甘んじた。
「リーグタイトルを獲れなかったことは自分自身も悔しい想いがある。ベレーザらしいサッカーができたら絶対に勝てる。優勝を目指して頑張ります」
遠藤はそのように誓った。
女王ベレーザは二度泣かない。宿命と矜持。最後は笑って、激動の2020シーズンの有終を飾る。
4連覇を目指す日テレか、2冠を狙う浦和か――。好カードとなった決勝は、29日14時に再びサンガスタジアム by Kyocera でキックオフを迎える。
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[文:サカノワ編集グループ]