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【なでしこ】首位タイのC大阪堺、女王ベレーザ戦「10失点」大敗から学ぶもの

なでしこジャパンにも選ばれるC大阪堺の宝田沙織。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

怒涛の開幕4連勝! しかし1部リーグの“洗礼”を受ける。

[なでしこL 5節] C大阪堺 1-10 日テレ/2020年8月15日/ヤンマースタジアム長居

 初のなでしこリーグ1部、開幕から怒涛の4連勝で首位に立つセレッソ大阪堺レディースがホームで女王の日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦し、1-10の大差で敗れる“洗礼”を受けた。

 C大阪堺としては、日テレの立ち上がりの出方を見て対応し、そこから仕掛けていきたかった。しかしその間もなく開始2分、長谷川唯のパスを受けた小林里歌子が鮮やかに右足でシュートを突き刺す。その5分後にも再び長谷川のドリブルからのタテパスに、初スタメンを勝ち取った木下桃香がしっかり合わせ2点目を奪う。さらに42分には土光真代が頭で押し込み、リードをさらに広げる。

 前半のC大阪堺はなんとか守備をハメようと奔走していた。奪っては素早く前方のスペースを突くロングボールでチャンスも作った。43分、その流れから北村菜々美が1点を返してみせた。1-3と追い上げてハーフタイムへ――。ここではまだ、C大阪堺にチャンスはあった。

 しかし後半、日テレの勢いはむしろ強まる。68分に再び小林がゴール。交代カードが切られていくと、選手層の厚さを見せつける。後半途中から入った遠藤純が「流れを変えず、逆にどんどん点を取りに行く雰囲気に持っていこうと思った」と4連続ゴール。結果、10ゴールを積み重ねた日テレの圧勝に終わった。

 すべての判断のスピードで一段上を行っていた日テレだが、「相手がよくボールにプレスをかけて、よく走るチームであることは分かっていた」(永田雅人監督)と、選手たちに相手を上回るプレーの選択を求めた。

 対策を立てられたC大阪堺は、何をしても後手に回り、流れを変えられなかった。相手のパスの出どころも、その先のターゲットも捕まえ切れず、追いかける態勢が続いた。なでしこリーグで最もパス精度と連動性の高い日テレのプレー。初めて体感する女王の貫録を前に、成す術がなかった。

 キャプテンの林穂之香は「どこかで修正をかけるタイミングがあったはず」と悔やんだ。その“どこか”を見つけられれば、次回の日テレとの対戦では、また違った戦いが必ずできるはずだ。

 それでもC大阪堺は、首位の浦和レッズレディースと同勝点で、得失点差により2位につけている。一方、勝点を「10」に伸ばした4位の日テレも、首位と勝点差を「2」にしている。3位は勝点11のINAC神戸レオネッサ。上位争いは混沌としてきた。

C大阪堺の林穂之香(右)と日テレの菅野奏音。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
日テレの長谷川唯(左)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
C大阪堺の浜野まいかが日テレの三浦成美(右)のボールを奪う。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
失点にうなだれるC大阪堺のGK西中麻穂。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

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[取材・文・写真:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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