「こうだったよなって、思い出したよ」仙台の手倉森監督が語ったユアスタ518日ぶり勝利の瞬間
柏戦のあとオンラインでの取材に応じた仙台の手倉森誠監督。協力:ベガルタ仙台
柏に1-0。味方を鼓舞しアウェーチームをきりきり舞いさせる、ユアスタの魔物を呼び覚ました1勝。
[J1 12節] 仙台 1-0 柏/2021年5月1日/ユアテックスタジアム仙台
J1リーグ12節、ベガルタ仙台が5月1日の柏レイソル戦、蜂須賀孝治のクロスからの西村拓真のヘディング弾を守り切り、1-0の勝利を収めた。仙台は今季リーグ初勝利。もちろんホームでの勝利も初。昨シーズンは一度もホームでの勝利がなく、実に518日ぶり、23試合ぶりのユアテックスタジアムでの歓喜となった。
試合終了の瞬間、仙台のベンチ前ではスタッフと選手たちの小さな歓喜の輪ができあがる。そしてソーシャルディスタンスで距離をとったスタンドの4292人のサポーターからの大きな手拍子が、戦い抜いた選手たちに送られる。反響する音がピッチに向かって集約されて、勝利した英雄たちを称える、ユアスタの特徴が最大限に引き出される瞬間だ。
仙台の手倉森誠監督は、この待望の勝利の瞬間を、次のように振り返った。
「こうだったよな、って。ユアテックスタジアムって、こうだったよなって思い出したよ。久しぶりだった。昨年未勝利で、今年は自分自身も苦しむ覚悟でシーズンに入りましたが、こうも苦しむのかと思ってきました」
そしてコロナ禍ではあるが、これこそがべガルタ仙台だと喜びを噛み締めたという。
「そのなかで今日は何か解き放たれたような気持ちにさせてもらえたし、雰囲気は本当にあの頃、ACL出場までできた、チーム、クラブ、地域の雰囲気を思い起こさせるようなものでした。もちろんコロナ禍で声を出せず、まるっきり違いましたけど、そういった思いが渦巻いているユアテックスタジアムだと感じました」
このスタジアムには、何か特別な力が秘められ、魅力がある。仙台がホーム・ユアスタの魔物を呼び覚ました1勝と言っていい。しぶとく、最後まであきらめず、闘いに執着する者の背中を少しだけ押して鼓舞し、どんなタフなアウェーチームをもきりきり舞いさせる。これから暑さを増すなか、ベガルタの季節を迎える。
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[文:サカノワ編集グループ]