【東京五輪】イニエスタのオーバーエイジ選出はあるか?S・ラモスらと共に「リスト入り」と昨年報じられる
神戸のアンドレス・イニエスタ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
世界最強の融合なるか!コロナ禍、「日本にいる」ことがスペインにもたらすメリットは多い。
東京オリンピックでヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタが、U-24スペイン代表(東京五輪スペイン代表)にオーバーエイジ枠で選出されることはあるのか!?
開幕まであと77日と迫った東京五輪。サッカー男子で注目されるのが登録選手18人中24歳以上の3枠を活用できる「オーバーエイジ」の人選だ。とはいえ大会が1年延期されたことで年齢制限は「24歳以下」と1歳繰り上げられ、“若手のための最後の年代別大会”という例年の大会のカラーはやや薄くなる。
加えてパンデミックの影響により、極東の日本への選手派遣を――特にオーバーエイジで歓迎するクラブは限られてくるかもしれない。何より同じく今夏にはEURO(ヨーロッパ選手権)が開催されるため、A代表の中心選手は事実上招集できない状況でもある。
例えば、昨年の段階ではレアル・マドリードのDFセルヒオ・ラモスが唯一獲得できていない“世界一”のタイトルである五輪での金メダルを目指したいと語り、ジネディーヌ・ジダン監督は「そういった意欲な姿勢こそが彼の原動力。私もそんなところが気に入っている」と後押ししていた。ただ現在は右ヒザの半月板損傷の手術を受けてリハビリ中。こうした社会情勢もあり、東京参戦の可能性は極めて低いと言える。
そうしたなか、2020年1月の段階で、スペイン紙『スポルト』は、東京五輪スペイン代表(U-24代表+オーバーエイジ3人まで可能)のプレリストに、神戸のイニエスタ、レアルのセルヒオ・ラモス、さらにFCバルセロナのDFジェラール・ピケ、レアル・ソシエダのMFダビド・シルバをオーバーエイジ候補として掲載していたと報じていた。事前にパスポート情報を伝えなければならないためで、リストは公開されず、その後の入れ替えも可能だ。ただ「ラージグループ(大枠)」にイニエスタが加わっていることは分かった。
もちろん、イニエスタも昨年12月にACL(アジアチャンピオンズリーグ)で負った右大腿直筋近位部腱断裂で手術を行い、ようやく2試合前から実戦復帰を遂げたばかり。夏場は改めてしっかりとコンディション調整に時間を費やしたいに違いない。
とはいえ、スーパースターがちょうど日本でプレーしている時期に、東京五輪が開催されるのだ。しかもこのコロナ禍、そんなピッチ内外を知り尽くす司令塔が“日本にいる”ことは、スペイン代表に様々なプラスやメリットをもたらすに違いない(同僚のセルジ・サンペールもまたいるが)。
もちろん選手としてではなかったとしても、ゲスト解説などでスペイン・日本から引っ張りだこにもなるだろう。しかも大会期間中には検査が繰り返されるなど、常に緊張を強いられる戦いが続く。
あり得るならば、24歳以下の選手たちを突き上げるターンオーバーなどを視野に入れてのメンバー入りか。5月11日に37歳になる神戸の司令塔が、母国のため再びラ・ロハのユニフォームを着る。まさに夢の祭典にふさわしい世界最強の融合になりそうだが、果たして――。
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[文:サカノワ編集グループ]